遣唐のひばり 伝承地
- 2021/05/10
- 18:06
遣唐のひばり 伝承地碑(堺市西区神野町2-19-1)
先日、リコールで自家用車を車屋に預けた帰り、運動不足解消を兼ねて徒歩で帰宅したところ、数年前開通した通りの道沿いに「遣唐のひばり 伝承地」の石碑が出来ているのに気付いた。
平成27年とあるから、そんなに新しいという訳でもないが、車の走行速度では気付けずにいたようだ。
場所はJR阪和線の上野芝駅と津久野駅のちょうど中間あたりの線路を横断して13号線と常磐浜寺線を結ぶ道沿いの津久野駅側である。
一帯は長らく工事が続いて大変不便をかけられた場所であるが、開通してからは随分便利になった。
車では何度も通っている筈なのに、こんな立派な石碑が建てられた事に気付かなかったのは不覚である。
碑文によると、遣唐使船帰国の際にひばりを持ち帰って神野の原野に放ったものだそうで、人々が集まり「鳴き合わせ」(鳴き声の競い合い)が始まると、人々は「遣唐(けんど)のひばり」と呼び、神野を遣唐と称するようになったという風雅な話が本当に史実なのかどうかは知らないけれど、文禄三年の「泉州大鳥郡神野庄御検地帳」には旧地名の「踞尾村神野字遣唐」と見えているらしいから、何かしら遣唐使絡みの土地には違いないようだ。
碑文によれば、地域が開発され始めた昭和30年代までは辺りに蛍が飛ぶ棚田が見られ、また、昭和44年当時は建碑場所の前に透明度の高い水をたたえた市室池があったという。
往時の風景は私の知るところではないが、高度成長期に付近の様相が一変した事は想像に難くない。
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