筮を撃つ
- 2021/10/04
- 18:22
我々が今日手にする『易経』の解説本では繋辞伝大衍之数章のところで、『本義』巻末に収載された朱子の筮儀を引いて説明するのが一般的だが、筮儀を事細かに述べてあるから引っ張りだこになるのも当然だろう。
加えて我が国は江戸時代に朱子学の全盛を見たから、ほとんど全て朱子によって筮儀を理解していたと言っても良い。
しかし、この筮儀は朱子自らの考案であるのか、先儒より伝を受けたものであるのか、或いは其の折中に成るものか、述べる所がない為に実は意外に得体の知れぬものであったりする。
ただし、『儀礼』士冠礼などを覗き見ると煩瑣な所作が色々述べられているし、同じく少牢饋食礼には「爾の泰筮、常有るに假る」に始まる例の文言に酷似したものが見えていて、「卦を木に書す」という記卦についての記述も同じ箇所に顔を覗かせている。
恐らく朱子の筮儀はこれらをつぎはぎして想像を交えたものであろう。
しかし、『儀礼』少牢饋食礼には朱子の筮儀には取り入れられていない変わった所作が記されている。
それは「下韇を抽き、左に筮を執り、右に韇を兼せ執り以て筮を撃つ」というもので、筮筒で筮竹を撃つような御作法が古代には行われていたらしい。
筮竹で筮筒を撃つなら何となく想像も出来るが、筮筒で筮竹を撃つというのは一寸想像しにくいものがある。
朱子も流石によく分からなくて摂取を断念した箇所であるのやも知れぬ。
加えて我が国は江戸時代に朱子学の全盛を見たから、ほとんど全て朱子によって筮儀を理解していたと言っても良い。
しかし、この筮儀は朱子自らの考案であるのか、先儒より伝を受けたものであるのか、或いは其の折中に成るものか、述べる所がない為に実は意外に得体の知れぬものであったりする。
ただし、『儀礼』士冠礼などを覗き見ると煩瑣な所作が色々述べられているし、同じく少牢饋食礼には「爾の泰筮、常有るに假る」に始まる例の文言に酷似したものが見えていて、「卦を木に書す」という記卦についての記述も同じ箇所に顔を覗かせている。
恐らく朱子の筮儀はこれらをつぎはぎして想像を交えたものであろう。
しかし、『儀礼』少牢饋食礼には朱子の筮儀には取り入れられていない変わった所作が記されている。
それは「下韇を抽き、左に筮を執り、右に韇を兼せ執り以て筮を撃つ」というもので、筮筒で筮竹を撃つような御作法が古代には行われていたらしい。
筮竹で筮筒を撃つなら何となく想像も出来るが、筮筒で筮竹を撃つというのは一寸想像しにくいものがある。
朱子も流石によく分からなくて摂取を断念した箇所であるのやも知れぬ。
スポンサーサイト