九家逸象のこと
- 2021/11/07
- 10:32
八卦の取象を語る上で逸する事の出来ないのが、所謂「九家逸象」である。
これは漢易的解釈学の延長線上に成立したもので、漢代の象数易の特徴の一つは経文にある字句を解釈する為に先ずは説卦伝の取象を根拠にする訳だが、説卦伝にその象がなければ爻を移動させたり引っ繰り返したりして象を無理矢理作り出し、辞と象とを関連付けようとする。
しかし、説卦伝に説かれた象の数などたかが知れているから、ここに敷衍して更に取象の数を増やして行こうとする試みが生じるのは当然で、その結果「九家逸象」の如きものが生まれた。
九家とは漢から三国にかけての易学諸家で、即ち荀爽・京房・馬融・鄭玄・宋衷・虞翻・陸績・姚信・翟子玄の九名である。
漢易諸書の例に漏れず、これも現在では完本として伝わらない。
正史の書籍目録によると唐代までは完本として伝存したらしいが、北宋の頃には散逸してしまっていたようだ。
唐の李鼎祚『周易集解』に多く引用があり、陸徳明『経典釈文』周易音義に列挙される。
昔は無かったもので今は身近にあるもの、また今は無くても未来に生まれて来るものは幾らでもある訳で、これからも新たな取象は次々続々と生まれて来るものだから、漢易研究の一史料としてだけでなく、新たな取象の参考としても「九家逸象」は役立てられるものだろう。
なお、「九家逸象」については鈴木由次郎氏の漢易研究のほか、最近では藤田衞氏の『荀爽九家集注』の注釋と卦象が啓発的な内容で参考になる。
これは漢易的解釈学の延長線上に成立したもので、漢代の象数易の特徴の一つは経文にある字句を解釈する為に先ずは説卦伝の取象を根拠にする訳だが、説卦伝にその象がなければ爻を移動させたり引っ繰り返したりして象を無理矢理作り出し、辞と象とを関連付けようとする。
しかし、説卦伝に説かれた象の数などたかが知れているから、ここに敷衍して更に取象の数を増やして行こうとする試みが生じるのは当然で、その結果「九家逸象」の如きものが生まれた。
九家とは漢から三国にかけての易学諸家で、即ち荀爽・京房・馬融・鄭玄・宋衷・虞翻・陸績・姚信・翟子玄の九名である。
漢易諸書の例に漏れず、これも現在では完本として伝わらない。
正史の書籍目録によると唐代までは完本として伝存したらしいが、北宋の頃には散逸してしまっていたようだ。
唐の李鼎祚『周易集解』に多く引用があり、陸徳明『経典釈文』周易音義に列挙される。
昔は無かったもので今は身近にあるもの、また今は無くても未来に生まれて来るものは幾らでもある訳で、これからも新たな取象は次々続々と生まれて来るものだから、漢易研究の一史料としてだけでなく、新たな取象の参考としても「九家逸象」は役立てられるものだろう。
なお、「九家逸象」については鈴木由次郎氏の漢易研究のほか、最近では藤田衞氏の『荀爽九家集注』の注釋と卦象が啓発的な内容で参考になる。
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