『易学大講座』再読
- 2022/02/13
- 12:51
講座準備の為に先月から『易学大講座』を久しぶりに読み返している。
通して読むのは四度目か五度目になるだろうか。
所謂大岳易に於ける基本文献とされているから、読んでいる人は何十回となく再読しているのだろうけれど、特別大岳易の信奉者という訳ではない自分は未だ其の程度の回数しか読み返せていない。
だいたい此のウネウネした回りくどい文体が初読時にはストレスでしかなかった位で、第一印象の悪さは過去目を通した易書の中でも指折りのものだったと言えるだろうか。
しかし、月日を重ねれば、多少なりとも進歩らしきものが私のような手合いにさえ現れるらしく、今回の再読で此の本の長所というものが何となく判って来たような気がせぬでもない。
何冊も買い替える程に読み返して、文字通りの眼光紙背に徹するが如き大岳流の易法家から見れば所詮は素人の戯言と笑って済ませて貰う他ないが、少なくとも現時点での印象を述べるなら、本書の値打ちは矢張り各卦各爻に附された「占考」の部分であると思われる。
此の占考のヒントを記した部分によって、朧気ではあるものの、これまでイメージの掴みにくかった箇所の幾つかが判りかけたような気がした。
ただし、本書が単なる易占書にとどまらず、経学の観点からも優れた書物であるとする一部の俗評には今以て首肯しかねる点があり、そもそも爻によっては酷くあっさりと流すだけに終始している箇所少なからず、やはり其処は他書によって補うべき不完全な点であるように思われる。
余談ながら、私は本書を一度も購入したことがない。
初めて読んだのは地元の公立図書館蔵書であったが、暫くして竹田先生の御遺品を貰い受け、其の後は樋口先生から一セット、数年前に木藤謙さんから一セットと、三度も恵与される機会があった。
有難いことである。
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