住吉大社御文庫
- 2022/03/01
- 18:01
神社への書物の奉献と言えば、言わずと知れた我が大阪の住吉大社「御文庫」など特に有名なものであろう。
同文庫は、享保八年(1732)に当時の大坂・京都・江戸の書林らが発起人となって建立されたもので、その創設以来毎年初刷本を献納し、現在五万冊にのぼるとされる蔵書は多数の稀覯書を含み、貴重な資料の集積となっている。
現在は出版物は一冊を国会図書館に献納することが法律で義務づけられているけれど、この御文庫は民間の書林が自発的に始めた伝統であって、隆盛を誇った懐徳堂同様、大阪に於ける民間の学問熱というものが如何ほどのものであったかを覗うに足る。
鳥居傍の石灯篭の脇には御文庫に関連して昭和19年に建立された大阪書林の小碑があり、それぞれ灯篭の題字を手掛けた五井蘭洲・篠崎小竹の名が刻まれている。
スポンサーサイト