イーチンタロット
- 2022/05/09
- 20:39
第二回易学講座では蓍策を用いた三変筮の基本的揲蓍作法の他に、それぞれの筮具を解説し、種々の簡易立卦具についても説明を試みたが、今日では八面賽に次ぐ勢力として幅を利かせていると思われるイーチンタロットについては意図的に触れるのを避けた。
もっとも私はイーチンタロットが嫌いなので、手元には一組の持ち合わせもないから、解説したくても出来ないのだが、今日は其の気に食わない理由を少々開陳してみたい。
なんとはなしに洒落乙な感じがするという他には大した取り柄が何一つないと私などは思っているのだが、第一に易の卦象が持つ数あるイメージを一つの絵にして表現するなど土台無理な話で、蒼流庵随想の読者諸氏なら直ちに首肯されることと思うが、易卦には同時に正反対の意味を持つものが少なくない。
風水渙を例に取れば、「散る」「散らす」という意味の他に「離散したものを集める」という意味があるし(爻で言うなら六四により強く後者の意味が出ている)、乾為天なら純陽剛健充実の意味と同時に其の反対の気ばかりで形なしの空虚をも観ることは広く知られていよう。
このように複雑なイメージを持って居るものを単一のイラストに帰納してしまうと、殊に初学の人の場合に弊害が強く出るような気がする。
また、そもそも肝心のイラストが意味不明のものもあるようだ。
例えば、検索してみて真っ先に目に入った此のカードなど、私などには何故このような絵柄になっているのか大半が理解に苦しむ。
サンプル画像として挙げられている14枚の内、けったいな竜の乾為天は何とか判るが、あとは私には理解しかねるものばかりで、殊に天沢履に虎が出て来ずにオカシな仏像が鎮座しているのはまるで判らない(眺め見ていて、図解周易大全を思い出した)。
易アイテムながらイタリア製というところが此の謎のカードのキモの部分かもしれないが、少なくとも此のような奇妙な代物は到底オススメ出来そうにない。
もっとも、カードを使った立卦法は紀藤門の高弟で恐らくは真の四遍筮の継承者であった麻野勝稔先生直伝の方法をイーチンタロットの代わりに紹介させて頂いた。
簡単な方法だが、易の正式の御作法に則って出来るし、複数の筮法に対応できるという点でイーチンタロットのようなコドモ騙しのものより遥かに理に適っていると思う。
ところで、『易学研究』などを覗き見ても、管見の限りではイーチンタロットについて言及した記事が一つもないように思うが、どの程度の歴史を誇る立卦具なのであろうか。
もっとも私はイーチンタロットが嫌いなので、手元には一組の持ち合わせもないから、解説したくても出来ないのだが、今日は其の気に食わない理由を少々開陳してみたい。
なんとはなしに洒落乙な感じがするという他には大した取り柄が何一つないと私などは思っているのだが、第一に易の卦象が持つ数あるイメージを一つの絵にして表現するなど土台無理な話で、蒼流庵随想の読者諸氏なら直ちに首肯されることと思うが、易卦には同時に正反対の意味を持つものが少なくない。
風水渙を例に取れば、「散る」「散らす」という意味の他に「離散したものを集める」という意味があるし(爻で言うなら六四により強く後者の意味が出ている)、乾為天なら純陽剛健充実の意味と同時に其の反対の気ばかりで形なしの空虚をも観ることは広く知られていよう。
このように複雑なイメージを持って居るものを単一のイラストに帰納してしまうと、殊に初学の人の場合に弊害が強く出るような気がする。
また、そもそも肝心のイラストが意味不明のものもあるようだ。
例えば、検索してみて真っ先に目に入った此のカードなど、私などには何故このような絵柄になっているのか大半が理解に苦しむ。
サンプル画像として挙げられている14枚の内、けったいな竜の乾為天は何とか判るが、あとは私には理解しかねるものばかりで、殊に天沢履に虎が出て来ずにオカシな仏像が鎮座しているのはまるで判らない(眺め見ていて、図解周易大全を思い出した)。
易アイテムながらイタリア製というところが此の謎のカードのキモの部分かもしれないが、少なくとも此のような奇妙な代物は到底オススメ出来そうにない。
もっとも、カードを使った立卦法は紀藤門の高弟で恐らくは真の四遍筮の継承者であった麻野勝稔先生直伝の方法をイーチンタロットの代わりに紹介させて頂いた。
簡単な方法だが、易の正式の御作法に則って出来るし、複数の筮法に対応できるという点でイーチンタロットのようなコドモ騙しのものより遥かに理に適っていると思う。
ところで、『易学研究』などを覗き見ても、管見の限りではイーチンタロットについて言及した記事が一つもないように思うが、どの程度の歴史を誇る立卦具なのであろうか。
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