蓍策作成のヒント
- 2022/07/04
- 18:29
初めての蓍策作成から此の夏で九年になる。
長くやっていると自然と自分なりのノウハウというものが蓄積されて来るもので、今日は同じように蓍策を自作してみたいという人の為にそれらを公開してみようと思う。
もっとも、飽くまで個人の経験に基づいたものに過ぎず、これが正しい作成法などというものがそもそも存在しないのは申し述べるまでもない。
まず、採取の時期だが、あまり遅くなると成長したメドハギが太くなり過ぎることと、自身の重さで撓んで来る為、少なくとも大阪に関してなら7月上旬が良いようだ。
此のところ、もっぱら幹線道路採取につき、草刈隊との闘いになる為、仕方なく6月上旬にやっているが、まだ細すぎて使い物にならない個体が多い。
始めの頃は、只ぶった切ったメドハギをそのまま持ち帰って、自宅で全ての処理を行っていたが、茎葉のゴミが大量に出る為、今は現地で葉をムシって適当な長さ(少し長めに切っておき、帰宅後に正確なサイズに整える)にカットした上で持ち帰るようにしている。
葉をムシった跡に7~8mm程度の睫毛状のものが残るので、これを除去するのだが、炎天下に於ける現場での採取を除けば此の作業が一番面倒。
一番良いのは軍手をハメた状態で親指の爪を使って引っ掻く姚ように除去して行くやり方で、最も傷が残らずに綺麗に仕上がる。
難点はすぐに指が痛くなってしまうことで、自分の場合は2セット100本くらいやるとギブアップ。
もっとも大量に制作しないなら、この方法で十分だろう。
ムシった後に残る突起が揲筮時の滑り止めの役割も果たしてくれて、筮“竹”よりも扱いやすくなる。
数をこなす時は、指が痛くなって来たら余り刃が鋭くないペーパーナイフを使ってやると良い。
指戦法と比べると傷が残るが、あまり疲れないので量産には向いているように思う。
鋏のように刃の鋭いものを使うと、エグれてしまって汚くなるので刃物は用いないこと。
睫毛処理が終わったら適当な本数束ねて輪ゴムでとめておき、十分に乾燥するまで寝かせておく。
ろうそくで炙って曲がりを直せば、最終の仕上げが完了となる。
少しくらい焦げても爪で擦れば容易に取れるので、あまり神経質にならずドンドン作業を進めると良い。
だいたい1セット仕上げるのに一時間ほど掛かるので、テレビでも視ながら或いは音楽でも聴きながら作業すると飽きが来ずに数をこなせる。
全行程を経た蓍策は、ただ使用するだけなら採取後数か月でも問題ないのだが、其の程度だと表面の青みが残っていて雰囲気が今一つ宜しくない。
一年以上寝かせると表面の色合いが煤竹製筮竹のような感じになって来るので、人様に進呈する場合などは充分寝かせたものを差し上げるようにしている。
以上ご自身でお作りになる際の御参考になれば幸いです。
長くやっていると自然と自分なりのノウハウというものが蓄積されて来るもので、今日は同じように蓍策を自作してみたいという人の為にそれらを公開してみようと思う。
もっとも、飽くまで個人の経験に基づいたものに過ぎず、これが正しい作成法などというものがそもそも存在しないのは申し述べるまでもない。
まず、採取の時期だが、あまり遅くなると成長したメドハギが太くなり過ぎることと、自身の重さで撓んで来る為、少なくとも大阪に関してなら7月上旬が良いようだ。
此のところ、もっぱら幹線道路採取につき、草刈隊との闘いになる為、仕方なく6月上旬にやっているが、まだ細すぎて使い物にならない個体が多い。
始めの頃は、只ぶった切ったメドハギをそのまま持ち帰って、自宅で全ての処理を行っていたが、茎葉のゴミが大量に出る為、今は現地で葉をムシって適当な長さ(少し長めに切っておき、帰宅後に正確なサイズに整える)にカットした上で持ち帰るようにしている。
葉をムシった跡に7~8mm程度の睫毛状のものが残るので、これを除去するのだが、炎天下に於ける現場での採取を除けば此の作業が一番面倒。
一番良いのは軍手をハメた状態で親指の爪を使って引っ掻く姚ように除去して行くやり方で、最も傷が残らずに綺麗に仕上がる。
難点はすぐに指が痛くなってしまうことで、自分の場合は2セット100本くらいやるとギブアップ。
もっとも大量に制作しないなら、この方法で十分だろう。
ムシった後に残る突起が揲筮時の滑り止めの役割も果たしてくれて、筮“竹”よりも扱いやすくなる。
数をこなす時は、指が痛くなって来たら余り刃が鋭くないペーパーナイフを使ってやると良い。
指戦法と比べると傷が残るが、あまり疲れないので量産には向いているように思う。
鋏のように刃の鋭いものを使うと、エグれてしまって汚くなるので刃物は用いないこと。
睫毛処理が終わったら適当な本数束ねて輪ゴムでとめておき、十分に乾燥するまで寝かせておく。
ろうそくで炙って曲がりを直せば、最終の仕上げが完了となる。
少しくらい焦げても爪で擦れば容易に取れるので、あまり神経質にならずドンドン作業を進めると良い。
だいたい1セット仕上げるのに一時間ほど掛かるので、テレビでも視ながら或いは音楽でも聴きながら作業すると飽きが来ずに数をこなせる。
全行程を経た蓍策は、ただ使用するだけなら採取後数か月でも問題ないのだが、其の程度だと表面の青みが残っていて雰囲気が今一つ宜しくない。
一年以上寝かせると表面の色合いが煤竹製筮竹のような感じになって来るので、人様に進呈する場合などは充分寝かせたものを差し上げるようにしている。
以上ご自身でお作りになる際の御参考になれば幸いです。
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