二冊の『都市の見えないメカニズム』
- 2022/07/25
- 20:50
目黒先生の『都市の見えないメカニズム』という傑作の存在を私が知るところとなった十数年前には既に古書価は相当な高騰を見せていて、現在と同じくAmazonの古書価格では5万円前後の値が付けられていたように思う。
今回、復刊に関わる事前情報を先に得る幸運に恵まれた私は、インサイダーさながらに売り抜けて泡銭を得ようかとも考えたのだが、幸か不幸か手持ちの二冊は孰れも特別な来歴を持っており、業界で最後に先生に会うことが出来た人間として矢張この二冊を手放すことは出来かねたのであった。
右は2009年秋に目黒先生から直接手渡しで頂いたもので、玄龍子の落款が押してある(先生も謹呈時に此の落款を押したことは殆ど無いと言っておられた)。
左は数年前に木藤謙さんより恵与された一冊で、目黒先生から紀藤先生の令夫人に贈られたもの。
いかに親同士が親友と呼べる間柄であったとしても、普通は子の代まで其の関係が相続されるということは余り見聞きしないように思われる。
律儀にこうした交流が続いたところに目黒紀藤両先生の人徳が窺われるというものだろう。
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