玄龍子先生、安らかに
- 2014/03/29
- 15:14
昭和30年・春日大社にて
本日3月29日は、二代目玄龍子・目黒八朗先生(1905~1962)の命日である。
ちょうど52年前の今日、先生は藤井寺市大井にあった御自宅で逝去された。
56歳という短命であったが、その命を縮めた原因は、紀藤先生と同じく酒であった。
玄龍子先生を直接に知る数少ない生き残りである麻野勝稔先生は、談話中に「あれだけの名人でも自分のことになると分らんもんかね」と仰ったことがあるが、安酒を大量に飲んでいれば命を縮めることくらい、医学の素人にも想像がつく。
結局は「わかっちゃいるけどやめられない」という話なのだろう。
二代目の研究熱心は、お父さん譲りと見ていい。
又、酒好きも遺伝らしく、未成年の頃“盗み酒”のうまさをおぼえ、当時台所に据えてあった二斗樽から、片口(丼の一種)にそっと注ぎ、ぐい呑みをやったそうである。
尤も樽から酒を盗み取るには、一種独特の木の栓みたいなものがついていて、キーキッと音がするから、耳ざとい人には聞こえてしまう。
「夜半に一杯やろうとして、同じ目的で台所へ現われたオヤジさんと、鉢合せしてしまったことがある」と楽しそうに語ったこともある。
「目黒玄竜子さんと私」紀藤元之介著より
思うに、初代も酒好きだったとあるが、当時としては特に短命ではないのは、やはり酒の質によるのであろう。
富裕であった初代と、優れた研究をされていながら極貧の生活を送った二代目とでは、手に入る酒の品質にはかなりの差があったと見ていい。
特に戦局の悪化と、戦後の荒廃を考えれば、良質な酒はただでさえ手に入り難い時代であったと言えると思う。
私など、経済状況には見合わず、酒だけは少しマシなのを飲んでいるクチだが、付き合いで仕方なく、白○や大○などを飲むと、何とも言えない不快感に襲われるから、安酒を毎日飲んでいれば、いくらお灸を据えてもノイガンを塗りたくっても、如何ともしがたいことは容易に想像出来る。
皆さん、お酒は良いのを飲みましょう。
蒼流庵主人のオススメ↓
純米吟醸原酒 CEL-24(亀泉酒造)
鷹長 菩提もと(油長酒造)
風の森 純米吟醸しぼり華(油長酒造)
みむろ杉 水もと 純米 酵母無添加無濾過生原酒(今西酒造)
南遷 プレミアムオーガニック(美吉野醸造)
百年杉(美吉野醸造)
金賞受賞酒 大吟醸(月桂冠)
伊根満開(向井酒造)
談山 貴醸酒(西内酒造)
華鳩 貴醸酒8年貯蔵(榎酒造)
五人娘花啓く(寺田本家)
醍醐のしずく(寺田本家)
玄龍子先生の亡くなられた大井の府営住宅は、暫くは御遺族がお住まいだったが、その後取り壊されてグラウンドになった。
現在は、そのグラウンドも大阪府の手から離れ、造成を経て分譲住宅になるようである。
二代目玄龍子先生終焉之地(藤井寺市大井五丁目)
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