三脚と筮具
- 2023/01/14
- 13:00
お道具を観れば、持ち主の程度というのが推し量れるもので、それが推し量れるようになっているなら、その人はもう一人前と見做して差し支えない、というのはどんな分野にも言える話のようだ。
アマチュア古生物学仲間であるT氏は、日本に於ける通信制御分野の草分けの一人で、殆どの鉄道に氏のプログラムが組み込まれているそうだが、若い頃は工業製品の写真撮影で食っていた時期があるらしく、カメラにも滅法詳しい。
庵主は名にし負うメカ音痴につき、そちらの方面は最も苦手とする分野の一つであるが、氏によれば、カメラマンの腕前は手にしているカメラを見ても余り分からないのだという。
では何を見れば分かるかというと、それはズバリ三脚だそうだ。
プロの使う三脚は普通20kg、携帯用でも10kgくらいあるらしく、チャチな三脚だとタイマーで撮影しても生じるシャッターを切る際の微細な振動に耐えられないらしい。
それが筋トレにも使えそうな三脚で撮影すると、例えば1km先の遠景を撮影しても遠くにある葉の模様まで写し出してくれるそうである。
定年退職した無駄に金だけ持ってるオッサンの場合、カメラには金をかけても、そういうことが分かっていない手合いが少なくない為、チャチな三脚に高価なカメラを乗っけて居るようなカメラマンは先ずド素人だというのが友人T氏の見解なのであった(私はカメラや写真には不案内な為、T氏の自論の妥当性についてはそれこそ測りかねるけれども)。
では、これが筮具の場合なら何を観れば良いかと考えてみたが、一人前と呼べる境地に未だ達して居らない為か、考えが纏まらない。
蓍策に拘っている立場からすれば策と云いたいところではあるが、別に筮竹を使っている人間を軽蔑している訳ではなく、筮竹至上主義者を軽蔑しているに過ぎない自分は策を観たところで程度を推し量れるとは思わないし、今東光が「筮具第一の要具」と云う算木も新参者の占具であることを考えれば、むしろ敢えて使わないという占者の方を認めてやりたい気がして来る(その場合は板に墨書するかもしれないから、硯や筆も値踏み対象となろうか)。
しかし、結局のところ、占具そのものが結果に如何なる変数として作用するか明確でない以上、矢張これは無意味な詮索と云うべきだろう。
ただ、こういうのも頭の体操としては悪くない。
易筮家のバロメータたり得るか否かは一先ず置くとして、ズラリと並んだお道具を前にした時に真っ先に目が行く占具というのは人それぞれだと思うが、さて貴方の視線の先には何があるだろうか。
自分自身に関して言えば、どうやら筮筒がそれに当たるようだ。
アマチュア古生物学仲間であるT氏は、日本に於ける通信制御分野の草分けの一人で、殆どの鉄道に氏のプログラムが組み込まれているそうだが、若い頃は工業製品の写真撮影で食っていた時期があるらしく、カメラにも滅法詳しい。
庵主は名にし負うメカ音痴につき、そちらの方面は最も苦手とする分野の一つであるが、氏によれば、カメラマンの腕前は手にしているカメラを見ても余り分からないのだという。
では何を見れば分かるかというと、それはズバリ三脚だそうだ。
プロの使う三脚は普通20kg、携帯用でも10kgくらいあるらしく、チャチな三脚だとタイマーで撮影しても生じるシャッターを切る際の微細な振動に耐えられないらしい。
それが筋トレにも使えそうな三脚で撮影すると、例えば1km先の遠景を撮影しても遠くにある葉の模様まで写し出してくれるそうである。
定年退職した無駄に金だけ持ってるオッサンの場合、カメラには金をかけても、そういうことが分かっていない手合いが少なくない為、チャチな三脚に高価なカメラを乗っけて居るようなカメラマンは先ずド素人だというのが友人T氏の見解なのであった(私はカメラや写真には不案内な為、T氏の自論の妥当性についてはそれこそ測りかねるけれども)。
では、これが筮具の場合なら何を観れば良いかと考えてみたが、一人前と呼べる境地に未だ達して居らない為か、考えが纏まらない。
蓍策に拘っている立場からすれば策と云いたいところではあるが、別に筮竹を使っている人間を軽蔑している訳ではなく、筮竹至上主義者を軽蔑しているに過ぎない自分は策を観たところで程度を推し量れるとは思わないし、今東光が「筮具第一の要具」と云う算木も新参者の占具であることを考えれば、むしろ敢えて使わないという占者の方を認めてやりたい気がして来る(その場合は板に墨書するかもしれないから、硯や筆も値踏み対象となろうか)。
しかし、結局のところ、占具そのものが結果に如何なる変数として作用するか明確でない以上、矢張これは無意味な詮索と云うべきだろう。
ただ、こういうのも頭の体操としては悪くない。
易筮家のバロメータたり得るか否かは一先ず置くとして、ズラリと並んだお道具を前にした時に真っ先に目が行く占具というのは人それぞれだと思うが、さて貴方の視線の先には何があるだろうか。
自分自身に関して言えば、どうやら筮筒がそれに当たるようだ。
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