宮人を以て寵せられる
- 2023/03/07
- 18:01
昨夏、第八回のオンライン講座にて剝卦を解説した際、此の分野では御多分に漏れずと言うべきか、呑象の鍼治占を引いて御話することとなった。
増補版『高島易断』を出典とする言わずと知れた占例で、読者諸賢には今さらの説明など不要であろうが、簡単にあらましだけ申せば、明治14年春に横浜の森錠太郎という外商の書記が腹痛を訴えて内外の医師の診察を受け薬を服用するも治らず、いよいよ危険な状態となった為、呑象に一筮を乞うたもので、得たのが山地剝五爻。剝は一命の剥尽されようとする卦で危険な状態だが、五爻の辞「貫魚、以宮人寵」は、鍼治を用いて病根を貫くべきことを指示していると断ずるのだが、「幸にも東京の鍼治家にて若宮という盲人が只今当地に出張中である故、この人に依頼してはどうか」と母子が曰うので、爻辞に「以宮人寵」とあるから、其の鍼治家の姓が若宮なのは最も妙であり、速やかに依頼せよ、という流れにまでなって来ると流石に話が出来過ぎているようで嘘臭く感じないでもない。
それはさて置き、自分が此の爻辞を得て、「宮」で名のある鍼治家と来れば、内経医学会の宮川先生くらいしか思い当たらないが、調べてみると現在千葉や愛知には若宮姓そのものズバリの鍼治家も居るようだ(これがくだんの盲人鍼治家の縁者であったら面白いのだが)。
剝卦五爻と言えば、先月のオンライン講座では受講者氏(ちなみに千葉の鍼治家である)の持ち込んだ病占例を全員で検討するという初めての試みにチャレンジしたが、難しい症例のように思われたので「どのようにすれば良いか」を占的として画面越しにサイコロを振ってもらったところ、何と山地剝六五が得られたのには驚いた。
鍼治家が始めての検討会で出した卦爻なのである。
山地剝自体にも先が尖ったものという卦象が見えて居る気がするが、爻辞がここまで露骨なのは、剝卦に限らず三百八十四爻中唯一と言って良かろう。
面白いものだ。
増補版『高島易断』を出典とする言わずと知れた占例で、読者諸賢には今さらの説明など不要であろうが、簡単にあらましだけ申せば、明治14年春に横浜の森錠太郎という外商の書記が腹痛を訴えて内外の医師の診察を受け薬を服用するも治らず、いよいよ危険な状態となった為、呑象に一筮を乞うたもので、得たのが山地剝五爻。剝は一命の剥尽されようとする卦で危険な状態だが、五爻の辞「貫魚、以宮人寵」は、鍼治を用いて病根を貫くべきことを指示していると断ずるのだが、「幸にも東京の鍼治家にて若宮という盲人が只今当地に出張中である故、この人に依頼してはどうか」と母子が曰うので、爻辞に「以宮人寵」とあるから、其の鍼治家の姓が若宮なのは最も妙であり、速やかに依頼せよ、という流れにまでなって来ると流石に話が出来過ぎているようで嘘臭く感じないでもない。
それはさて置き、自分が此の爻辞を得て、「宮」で名のある鍼治家と来れば、内経医学会の宮川先生くらいしか思い当たらないが、調べてみると現在千葉や愛知には若宮姓そのものズバリの鍼治家も居るようだ(これがくだんの盲人鍼治家の縁者であったら面白いのだが)。
剝卦五爻と言えば、先月のオンライン講座では受講者氏(ちなみに千葉の鍼治家である)の持ち込んだ病占例を全員で検討するという初めての試みにチャレンジしたが、難しい症例のように思われたので「どのようにすれば良いか」を占的として画面越しにサイコロを振ってもらったところ、何と山地剝六五が得られたのには驚いた。
鍼治家が始めての検討会で出した卦爻なのである。
山地剝自体にも先が尖ったものという卦象が見えて居る気がするが、爻辞がここまで露骨なのは、剝卦に限らず三百八十四爻中唯一と言って良かろう。
面白いものだ。
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