生薬探偵紀南之旅
- 2023/03/30
- 18:18
十年一昔などというけれど、外来種の侵入や鹿による食害が著しい我が国の植生は当に十年一昔を地で行く状況と言う他ない。
少し前なら普通に見られた筈のものが、今やどれだけ探しても見つからない場合が幾らでも有るというのは斯界の諸先輩異口同音に嘆く所である。
小生も、生薬探偵道に於ける門人を得て数年、屡々伝授がてら案内しているが、場所の詳細も記憶しているから楽勝と思って下見に出かけたところ、幾ら探しても気配すら無く、結果絶滅を知るという事例を幾つも経験した。
昨日案内した甘遂(ナツトウダイ)と山豆根(ミヤマトベラ)もそんな薬用植物の一つで、いずれも過去に泉州地域の山間部で観察しているものの、私の知る限りでは、目下案内してあげられる場所がない。
勿論府下に於ける絶滅ではなく、私の把握するフィールドに限定しての話ではあるが、少なくとも、山歩き中の偶然の発見が期待出来るというような普通種ではないから、人様を御案内するとなれば多少の遠征を強いられることになるのは、出不精の庵主には些か酷な話である。
よく見ると個体差も結構あって、上掲は杯状花序の三日月形の腺体がとりわけ美しかった。
薄暗い林床を好むので、撮影に難儀する被写体であるが、今回は三脚持参で難なく撮影成功。
個体数はそれほど多くない印象だが、それでも10株程度見つけることが出来た。
門下生は採取したがったが、社寺林での採取は御眷属の怒りを買う可能性大につき、デジタル採取のみ。
今回は久しぶりに熊野三社も参拝し、時間が許せば玉置神社にも足を運びたかったが、17時間に及ぶ不眠不休の爆走は庵主から全ての余力を奪い去っていた為、こちらは断念。
少し前なら普通に見られた筈のものが、今やどれだけ探しても見つからない場合が幾らでも有るというのは斯界の諸先輩異口同音に嘆く所である。
小生も、生薬探偵道に於ける門人を得て数年、屡々伝授がてら案内しているが、場所の詳細も記憶しているから楽勝と思って下見に出かけたところ、幾ら探しても気配すら無く、結果絶滅を知るという事例を幾つも経験した。
昨日案内した甘遂(ナツトウダイ)と山豆根(ミヤマトベラ)もそんな薬用植物の一つで、いずれも過去に泉州地域の山間部で観察しているものの、私の知る限りでは、目下案内してあげられる場所がない。
勿論府下に於ける絶滅ではなく、私の把握するフィールドに限定しての話ではあるが、少なくとも、山歩き中の偶然の発見が期待出来るというような普通種ではないから、人様を御案内するとなれば多少の遠征を強いられることになるのは、出不精の庵主には些か酷な話である。
ナツトウダイ(2023年3月29日/和歌山県東牟婁郡串本町)
実に9年ぶりのナツトウダイである。
よく見ると個体差も結構あって、上掲は杯状花序の三日月形の腺体がとりわけ美しかった。
ナツトウダイの腺体はどこか鴛鴦鉞を彷彿させるところがある。
かなりの個体数が見られたので薬用部位を観察する為に掘ってみた。
移動の道中立ち寄った新宮の徐福公園は七年ぶり。
ミヤマトベラ(三重県熊野市)
12年ぶりのミヤマトベラは、熊野市の某社寺林にて。
薄暗い林床を好むので、撮影に難儀する被写体であるが、今回は三脚持参で難なく撮影成功。
個体数はそれほど多くない印象だが、それでも10株程度見つけることが出来た。
門下生は採取したがったが、社寺林での採取は御眷属の怒りを買う可能性大につき、デジタル採取のみ。
今回は久しぶりに熊野三社も参拝し、時間が許せば玉置神社にも足を運びたかったが、17時間に及ぶ不眠不休の爆走は庵主から全ての余力を奪い去っていた為、こちらは断念。
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