生薬探偵飛鳥之旅
- 2023/05/10
- 23:54
今日は七年ぶりに大宇陀のカザグルマ自生地へ。
前回の探訪時は少し花期を過ぎてしまっていて、ヘタった個体しか撮影出来なかった為、万全を期して臨んだが、ここで思わぬトラブルが発生、土地の所有者が農繁期で外出されていて立ち入りの許可が得られず、仕方なくフェンス越しに外から探すことに。
結局、外から覗き見られるのは一個体のみで、それもかなり距離があって望遠で何とか撮影を試みるも鑑賞に堪える写真は撮影出来ず。
薬の館は一度土岐先生主催のバスツアーで見学しているが、看板類の展示が多かったので、今回はパス。
思わず立ち止まった地域会館での大和当帰展は残念ながら来週からの開催。
同じく七年ぶりの森野旧薬園
入口で出迎えてくれるクロフネサイシンは今も健在。
グロテスクなクロフネサイシンのお花
お隣のウスバサイシンは葉だけでは見分けが付かないが、花を見比べれば判別できるので、こういう学習が出来るのは植物園の利点の一つ。
季節的なものか、当帰は特有のセロリ臭が全く感じられない。
葛粉製造の旧施設
葛根の展示
朝ドラに便乗した富太郎がらみの企画展開催中
“植物之精”拝観時の芳名帳
セリバオウレンの結実
トチバニンジン
花がなければ確かにヨモギに似ていなくもないトリカブト。
カノコソウも多分御杖村の道路の切割で観て以来なので七年ぶり。まだ花期には少し早い。
ツルドクダミは植栽だったものが逃げてそこら中で繁茂している。
ホソバオケラはそのうち佐渡まで行って本場モノを見てみたい。
オオツヅラフジは葉の形がマチマチなので、少し戸惑いを覚える(コウモリカズラと正確に見分けられるか自信なし)。
麻黄は撮影したら何やら判らなくなってしまった。
自生地からの株分けか、カザグルマが綺麗な花を咲かせて眼前に現れたのはかなり嬉しい。
300円の元は十分に取れること請け合いの森野旧薬園ではあるが、不満も少なくない。
まず、風で飛ばされでもしたのか、本来あるべき名札の無いものが随分あるのは初心者には不親切だし、人手不足もあるのかもしれないけれど、雑草は丁寧に駆除していかないと、初心者が名札に惑わされて雑草を別の薬用植物と誤認する可能性がある(これは高知県の牧野植物園でも強く感じたことであった)。
また、ビロードモウズイカのような西洋のハーブを植えるくらいなら、もっと栽培を試みるべきものが幾らでもあるように思う。
例えば、フシグロ(王不留行)、ハマビシ(蒺藜子)、ナツトウダイ(甘遂)、ハマスゲ(香附子)、フタバムグラ(白花蛇舌草)、ナベナ(続断)、アオツヅラフジ(木防已)、ミクリ(三稜)、ムサシアブミ(天南星)、オキナグサ(白頭翁)辺りは我が国にも自生があるし、専門家を相手にするなら是非とも植えてあったほうが良い。
顧問には偉いセンセイがたが名前を連ねているようであるけれども、これでは顧問としての職責を充分に果たしているとは言い難いだろう。
森野旧薬園を後にして向かったのは先月も見学(?)した旧大和水銀鉱山跡
時間がだいぶ押して来たが、ラストは明日香のオニノヤガラ群生地。
花期にはまだ二週間ほど早いので土筆のようないでたちだが、異様な存在感は既に開花を待たずに十二分に発揮している。
スポンサーサイト