或る日の天候占
- 2023/07/16
- 15:24
金匱植物同好会の第五回観察会を開催して早くも一週間になるが、今回の天気予報は直前はおろか当日のそれでさえ開催が危ぶまれるような不穏なもので、正直なところ、主催者として気が気ではなかった。
恐らく同じ日に泉州地域で屋外の催しを企てて居た人は大半が開催を断念したのではないかと思う(実際、普段なら賑わいを見せる観察地も此の時期としては異常なまでに人気が無かった)。
そんな状況下で敢えて開催に踏み切ったのは勿論易神の導きに拠るところであるが、今回は受講生の活断に負うところが多大であった。
庵主自身は天候については或る方法を用いて直接天候そのものにアプローチすることが多い為、天候占に手を染めたことは殆ど無いのだが、Aさんが開催の一週間程前に三変筮で立卦して得られたのは天風姤の初六であったそうだ。
爻辞は天候占には直接関係しそうになく、得卦を観て直感的に開催に支障がないと判断したとのことだが、加藤大岳『易学大講座』は、姤卦について「天時の占には曇つてゐて風が出ると見ますし、雨気はありますが降る程ではありません」とし、初六の占考のヒントにおいても「天候は晴。夏は旱魃の恐れ」とする。
しかしながら、連日天気予報では日曜の大雨を予想し、気象予報士の殆どは不要不急の外出を控えろと連呼するばかりで、それが前日のニュースでさえそうなのだから、流石にAさんも不安になったと見えて、今度は直前になって中筮で立卦してみたところ、得卦は山雷頤之火雷噬嗑であったそうだ。
中筮は講座では余り触れていない(というよりも混乱を避ける為に成るべく触れないようにしている)為、漠然と雨は降らなそうだという程度の判断しか出来なかったようであるが、得卦を聞かされて、山雷頤は大離の似象であるから基本は晴れ、火雷噬嗑も同じく大離の似象である山雷頤が基調とすれば、晴れがベースと考えて良いが、山雷頤六四の爻に変があって、互坎が生じることよりすれば、一時的には雨が降る可能性があることを伝えた。
実は天風姤の得卦を聞かされた際にも、姤の一陰に出遭うという卦意からすると、風ではなく陰=雨に遇うことは考えられたので、終始晴れという訳には行かないだろうと思ってはいたのである。
また、天風姤が天下の風であるところから風も予想出来るし、中筮の得卦でも陰爻の爻卦に巽が多く、また初爻の爻卦が坎であることからすれば、両者の得卦を対照して、晴れつつも風があり、少し雨に見舞われると判断、開催を決断したのであった。
当日の観察地の天候は、終始曇りで風がやや強く、午後から数回傘が要らない程度の雨がほんの短い期間降った程度で、悪天どころか七月初旬のフィールド調査としては、これ以上望み得ないと言っても過言ではない上出来の部類であった(こんな時期に快晴だと、かなりの苦行を強いられよう)。
ちなみに、庵主は午前9時過ぎに家を出て最寄り駅に向かったが、その時は傘無しにはとても外出できないような激しい降り方で、正直開催を後悔しながら必死で自転車を漕いだことを白状しておく。
実際の天候は晴れではなく曇りであったけれど、Aさんとの事前の遣り取りで、曇りだったら誤占扱いにするかと尋ねられて、今回は開催の可否を前提に観ているので、曇りは晴れ扱いにすると答えておいた。
一時の雨がゲリラ豪雨のレベルであったら困り物だが、幸い殆ど無視しても良いような雨であったのは幸運であったと言う他ない。
夏場の植物観察は強い日差しが撮影の大きな障害になるものだが(これは掃苔時も同じ)、此の時期の撮影には寧ろ最高のコンディションであった。
天候占に不慣れなこともあって、自分では得卦をそこまで信じ切れなかったけれど、むしろ初心のAさんのほうが自信に満ちていたことは、充実した観察会と合わせて何時までも心に残り続けるだろう。
恐らく同じ日に泉州地域で屋外の催しを企てて居た人は大半が開催を断念したのではないかと思う(実際、普段なら賑わいを見せる観察地も此の時期としては異常なまでに人気が無かった)。
そんな状況下で敢えて開催に踏み切ったのは勿論易神の導きに拠るところであるが、今回は受講生の活断に負うところが多大であった。
庵主自身は天候については或る方法を用いて直接天候そのものにアプローチすることが多い為、天候占に手を染めたことは殆ど無いのだが、Aさんが開催の一週間程前に三変筮で立卦して得られたのは天風姤の初六であったそうだ。
爻辞は天候占には直接関係しそうになく、得卦を観て直感的に開催に支障がないと判断したとのことだが、加藤大岳『易学大講座』は、姤卦について「天時の占には曇つてゐて風が出ると見ますし、雨気はありますが降る程ではありません」とし、初六の占考のヒントにおいても「天候は晴。夏は旱魃の恐れ」とする。
しかしながら、連日天気予報では日曜の大雨を予想し、気象予報士の殆どは不要不急の外出を控えろと連呼するばかりで、それが前日のニュースでさえそうなのだから、流石にAさんも不安になったと見えて、今度は直前になって中筮で立卦してみたところ、得卦は山雷頤之火雷噬嗑であったそうだ。
中筮は講座では余り触れていない(というよりも混乱を避ける為に成るべく触れないようにしている)為、漠然と雨は降らなそうだという程度の判断しか出来なかったようであるが、得卦を聞かされて、山雷頤は大離の似象であるから基本は晴れ、火雷噬嗑も同じく大離の似象である山雷頤が基調とすれば、晴れがベースと考えて良いが、山雷頤六四の爻に変があって、互坎が生じることよりすれば、一時的には雨が降る可能性があることを伝えた。
実は天風姤の得卦を聞かされた際にも、姤の一陰に出遭うという卦意からすると、風ではなく陰=雨に遇うことは考えられたので、終始晴れという訳には行かないだろうと思ってはいたのである。
また、天風姤が天下の風であるところから風も予想出来るし、中筮の得卦でも陰爻の爻卦に巽が多く、また初爻の爻卦が坎であることからすれば、両者の得卦を対照して、晴れつつも風があり、少し雨に見舞われると判断、開催を決断したのであった。
当日の観察地の天候は、終始曇りで風がやや強く、午後から数回傘が要らない程度の雨がほんの短い期間降った程度で、悪天どころか七月初旬のフィールド調査としては、これ以上望み得ないと言っても過言ではない上出来の部類であった(こんな時期に快晴だと、かなりの苦行を強いられよう)。
ちなみに、庵主は午前9時過ぎに家を出て最寄り駅に向かったが、その時は傘無しにはとても外出できないような激しい降り方で、正直開催を後悔しながら必死で自転車を漕いだことを白状しておく。
実際の天候は晴れではなく曇りであったけれど、Aさんとの事前の遣り取りで、曇りだったら誤占扱いにするかと尋ねられて、今回は開催の可否を前提に観ているので、曇りは晴れ扱いにすると答えておいた。
一時の雨がゲリラ豪雨のレベルであったら困り物だが、幸い殆ど無視しても良いような雨であったのは幸運であったと言う他ない。
夏場の植物観察は強い日差しが撮影の大きな障害になるものだが(これは掃苔時も同じ)、此の時期の撮影には寧ろ最高のコンディションであった。
天候占に不慣れなこともあって、自分では得卦をそこまで信じ切れなかったけれど、むしろ初心のAさんのほうが自信に満ちていたことは、充実した観察会と合わせて何時までも心に残り続けるだろう。
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