序卦伝を読もう
- 2014/04/29
- 21:51
公田連太郎先生(1874~1963)の『易経講話』は、経文の前に「序卦伝」から解説を始めるというユニークなスタイルを採っている。
これから序卦伝の御話をする。
変なところから読み始めるのであるが、これは私が昔、易を独学していた時に、序卦伝を読んで始めて易の概念を得られたのであって、今でも周易を学ぶ人は、先づこの序卦伝を一通りざっと読んで、周易の大体の輪郭を知って置く方が善いと思うて居る。
さういふわけで、序卦伝から読み始めるのである。
『易経講話』第一巻(64頁)
「序卦伝」は、孔子が易経の補助として書いたとされる「十翼」中の一篇であるが、十翼の中でも最後に発見されたとかで信用が置けないというのが一般の説であり、欧陽修や朱子も雑卦伝と共に「聖人の作」でないことを最も端的に露呈している部分としている為、「繋辞伝」などと比べてはるかに冷遇されて来た感がある。
乾為天で始まり火水未済で終わる御馴染の順序につけられた理屈は、確かにかなり強引な牽強付会を感じさせる部分も少なくない。
しかし、私は公田先生に倣って序卦伝から読み始めて良かったと、自分では思っている。
全体像をとりあえず頭に入れるには、初学者に優しい短さであるし、経文とは違った意味が掛けられているものが多いが、これも実占には欠かせないものだ。
また、序卦の順序そのものを占法に用いる「序卦断法」というものもある。
これは高松貝陵という易占家で有名なものだ。
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