粟島先生と千島学説
- 2014/08/13
- 15:34
四国での論争を終えた帰りの船上にて、左から粟島師・千島博士・久保博士
粟島師は、二木謙三(赤痢菌の新種を2種発見してノーベル賞候補にもなっている)を初代会長として発足し、日本の食養家の大半が出入りした日本綜合医学会の古くからのメンバーで、粟島師の後任で副会長に就任したのが西式の甲田光雄先生(後に会長)だ。
甲田先生とは年齢も近く、同じ大阪であった為、ライバルの関係にあり、顔を合わせる度に喧嘩ばかりしていたという。
この日本綜合医学会の全盛期に千島学説論争というのがあって、粟島師はその調整役として活躍されたことがある。
千島学説というのは、千島喜久男博士(1899~1978)が提唱した八大原理の総称であるが、これは今日の教科書で習う医学生物学の知識とは異質のもので、「細胞の赤血球由来説」「バクテリア・ウイルスの自然発生説」など8つの原理で構成され、その内もっとも有名なものが、血液は骨髄ではなく腸で造られるとする「腸造血説」であろう。
粟島師は、「東洋医学をやっている者には、腸での造血は当然のものである」と時折説明しておられた。
初めて書庫を案内して頂いた際、千島博士から贈られた『千島・革新の生命医学全集』全10巻が2セットも並べられていたのを覚えている。
千島学説の入門書としては、忰山紀一氏の『千島学説入門』が良いようだ。
どういう訳か、千島学説の信奉者はキチ○イがやたら多くて、ネット情報など思わず顔をそむけたくなるようなものばかりであるが、忰山氏の本は、文体も気品があり、筆致も或る程度抑制が効いているので、オススメである。
ただし、新装版の帯の文句「闘わないガン治療のための論拠となる革新の生命論」は余計であろう。
こういうのに釣られるのは、まず間違いなくアレな人達だろうから。
スポンサーサイト