『傷寒論脉法研究』王占璽編著
- 2014/08/29
- 18:39
『傷寒論脉法研究』王占璽編著(科学技術文献出版社/1980)
『傷寒論』には、様々な脈の記述があるが、これが中々難しい(尤も『傷寒論』に限らず、脈診というのは難しいものなのだが)。
浮は表で沈は裏、数は熱で遅は寒、という風に脉証の基礎を覚えるけれど、『傷寒論』の本文を読むと兼ねる脉によって、随分バリエーションがあることに初学者は面食らう。
ところが此処に、北京の経方家・王占璽氏の編著に成る『傷寒論脉法研究』と題した好著がある。
本書は読んで字の如く、『傷寒論』に記載される脉証を抜き出して整理し解説を加えたもので、日本では類書が無いだけに、有難い一冊だろう。
脉診の技術は、本来実地によって体得すべきもので、書物からの学習には自ずから限界があるけれど、そんなことを言い出せば、臨床技術というのは全て同様に言うことが出来るのだし、本書のような存在があるだけでも学習者は心強いというものだろう。
古い本だが、入手は容易。
確か、少し前まで東方書店で数百円で叩き売りされていた。
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