『薬性能毒』曲直瀬玄朔著
- 2014/10/23
- 18:37
『薬性能毒』曲直瀬玄朔著(土と文化社/1975年復刻)
粟島先生が本草学のテキストとして講座で用いられたのが曲直瀬玄朔の『薬性能毒』である。
本書は初代道三の『注能毒』に、玄朔が渡来後間もない『本草綱目』を利用して増補を行ったもので、いわば『本草綱目』のダイジェスト版といった内容であり、290種類の薬物が収載されている。
内容はあくまでも『本草綱目』を簡略に纏めたもので、玄朔の創意はほとんど見られないのだが、大部な『本草綱目』に比べて、本書の分量はたかが知れているから、通読するにも容易な点が良い。
また、それぞれに記された和名は、日本の古医方を研究する上でも役立つ。
粟島先生は「アマチュアとプロとの中間程度」の書物としておられた。
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