『万病回春』について
- 2014/10/25
- 13:39
岡本玄治が影響を受けた『万病回春』は、明代の名医・龔廷賢(1539?~1632)の著述である。
医史学の大家である真柳誠先生の研究によると、本書が江戸前期の医学に与えた影響は極めて大きく、まさに『万病回春』一色であったと表現しても過言ではないという。
和刻の歴史を見ると、江戸時代のごく初期に初めて復刻され、江戸時代を通じて30回近く出版されており、これは中国を凌ぐ回数で、しかもそれは江戸前期の約100年の間に集中しているそうだ。
古方派が台頭して来る江戸時代中期以降はぱったりと出版されなくなるが、その影響は今日でも残存しており、中国ではさっぱり使われないが、日本で常用されている『万病回春』出典の処方は少なくない。
疎経活血湯、啓脾湯、滋陰降火湯、温清飲、荊防排毒散、清上防風湯、五虎湯、響声破笛丸など、皆『万病回春』に初めて記載される薬方であり、今の漢方製剤を出典毎に分けると、本書を出典とする処方の数は『金匱要略』『傷寒論』に次いで第3位となる。
とはいえ、漢方をちょっとかじった程度の人でさえ知っている『傷寒論』『金匱要略』に比べて、知名度はずっと低いだろうと思う。
日本漢方の基礎の一つとして、本書の名前くらいは知っておいて頂きたいものだ。
医史学の大家である真柳誠先生の研究によると、本書が江戸前期の医学に与えた影響は極めて大きく、まさに『万病回春』一色であったと表現しても過言ではないという。
和刻の歴史を見ると、江戸時代のごく初期に初めて復刻され、江戸時代を通じて30回近く出版されており、これは中国を凌ぐ回数で、しかもそれは江戸前期の約100年の間に集中しているそうだ。
古方派が台頭して来る江戸時代中期以降はぱったりと出版されなくなるが、その影響は今日でも残存しており、中国ではさっぱり使われないが、日本で常用されている『万病回春』出典の処方は少なくない。
疎経活血湯、啓脾湯、滋陰降火湯、温清飲、荊防排毒散、清上防風湯、五虎湯、響声破笛丸など、皆『万病回春』に初めて記載される薬方であり、今の漢方製剤を出典毎に分けると、本書を出典とする処方の数は『金匱要略』『傷寒論』に次いで第3位となる。
とはいえ、漢方をちょっとかじった程度の人でさえ知っている『傷寒論』『金匱要略』に比べて、知名度はずっと低いだろうと思う。
日本漢方の基礎の一つとして、本書の名前くらいは知っておいて頂きたいものだ。
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