平田篤胤の古事記
- 2014/11/20
- 19:10
平田篤胤全集1~5(内外書籍/昭和7年刊)
神代文字の研究者でもあった粟島先生は、平田篤胤による『古事記』の注解を重視しておられた。
『古事記』の注解といえば、国文学の世界では本居宣長の『古事記伝』が最も基本的なテキストということになっているが、粟島先生によると、宣長には古代の日本語に対する理解が不足しており、神代文字を研究した篤胤に比べて、正しく『古事記』を読解出来ていないという。
私は神代文字や古史古伝の類に関して、橋本進吉(1882~1945)やそれを受けた大野晋(1919~2008)らの批判に信を置いているため、未だに手をつける気が起こらない分野であるが、関心をお持ちの方のために、篤胤宣長をご紹介したついでとして取り上げておくことにする。
写真は、『古事記』の注解が収められた全集の一部であり、戦前の版であるが、大変安く入手することが出来た。
『古事記』に特別の興味を持たない私のような人種にとって、古事記編纂1300年(2012年)というきっかけを逸してしまった今となっては、このまま積読に終わってしまう可能性も大いにありそうだが、易学や漢方に興味があって且つ『古事記』にも取り組んでみたいという読者諸賢のご参考になれば幸いである。
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