岡本為竹の墓~大阪漢方史跡~
- 2015/02/16
- 18:10
左:岡本蘭斎墓 右:岡本尚古斎墓 (齢延寺/大阪市天王寺区生玉町13−31)
近世医人中最大のブックメーカーとして知られ、近松門左衛門の実弟でもある岡本一抱(1654~1716)の墓は、大阪の浄瑠璃研究家・木谷蓬吟氏(1877~1950)が戦前に調査を行って六条堀川西の日蓮宗本圀寺にあることを突き止められたが、現在は無縁処理されて墓域には見あたらない。
しかし、大阪市天王寺区の生魂山齢延寺には、一抱の養子となって岡本家を継いだ蘭斎(1677~1762)及び蘭斎の三男尚古斎(1719~1774)の墓碑が現存し、剥落は激しいものの、共に受け継いだ「爲竹」の号が未だはっきり見て取れる。
一般に“為竹”は岡本一抱の号として認識されているが、初代岡本為竹は一抱の母方の祖父で、一抱は三代目為竹に当たる。
蘭斎や尚古斎は著述がない為、『国書人名辞典』(岩波書店刊)に記載されていない。
なお、蘭斎の碑文は、かつて易儒として紹介した穂積以貫が書いている。
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