『図解常用漢方処方』顔焜榮著
- 2015/03/28
- 17:24
『図解常用漢方処方』顔焜榮著(薬業時報社/1978年刊)
今日ご紹介する『図解常用漢方処方』も私の好きな一冊なのだが、不思議とあまりこの本の名を口にする漢方家に出会ったことがない気がする。
著者の顔焜榮先生(1924~2017)は、台湾では“現代の神農”として尊崇される生薬学の巨星だ。
大阪薬学専門学校(現大阪大学薬学部)を卒業され、京都大学では刈米達夫先生(1893~1977)と並んで昭和生薬学を牽引された木村康一先生(1901~1989)より指導を受けられた。
京大生薬学のその後の発展は顔先生の活躍によるところも大きいらしい。
また、京大在学中は長倉製薬の研究部長も兼ね、長倉音蔵社長(1894~1973)からも漢方医学を学ばれている。
その顔先生が1978年に日本で出版されたのが『図解常用漢方処方』である。
本書は主症別に放射状の図解によって類方鑑別を試みたもので、私の所属していた会では時々この本の一部をテキストに使用していた。
なお、顔先生の御子息である後藤愼亮先生も長倉製薬の学術部長をされているそうだ。
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