『漢方治療の実際』大塚敬節著
- 2015/04/09
- 18:10
『漢方治療の実際』大塚敬節著(南山堂/1963年刊)
『漢方治療の実際』は、『漢方診療医典』と同じ出版社から酷似した装丁で出ていて、タイトルも『漢方診療医典』の元版である『漢方診療の実際』と一字しか違わない紛らわしいものであるが、本書は頭に「症候による」が付いており、大塚先生が単独で執筆した全く別の本である。
大塚先生の日頃の勉強ノートの集成的内容であるが、病名で分類した『漢方診療医典』と違って、本書は「頭痛」とか「視力障害」「便秘」など、それぞれの症候別に分類した頻用処方の解説となっており、患者の主訴から処方を選択するのに便利な構成になっている。
『漢方診療医典』よりも本書の方を高く評価する人は少なくないようで、私の習った先生は基本的にアンチ大塚の立場であったが、本書は割によく利用しておられた。
頁数は、『漢方診療医典』よりもずっと多く、800頁近くあり、書棚に並べた時の存在感も『~医典』を上回っていて、中々頼もしい感じがする。
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