『明解 漢方処方』西岡一夫著
- 2015/04/10
- 18:24
『明解 漢方処方』西岡一夫著(浪速社・1966年刊)
今日ご紹介する『明解 漢方処方』は、古くから薬局漢方の虎の巻として密かな人気を集める好著で、私の周りにもこの本の愛用者が少なくない。
著者の西岡一夫先生(1924~??)は、オリオン薬局を経営されていた薬剤師で、南涯研究の大家だった人という。
わずか150頁の小著で、収録方数も本論九十六方、増補六十五方の合計百六十一方というコンパクトなものであるが、纏め方も簡潔である為、初学者には中々便利な本だ。
本論の九十六方には全て、「初級メモ」と「中級メモ」という短文が附されているが、「中級メモ」は、南涯の説を中心に色々教えられるところの多いもので、中級者以上の人にも有益であろう。
絶版になって久しく、入手はそれなりに難しい。
400円で発売された本であるが、現在の古書価は、いかつい箱入りの南山堂の本の古書価よりもずっと高価である。
また、古書市場に時折出てくるものも、相当に使い込まれた形跡のあるものが大半で、蒼流庵蔵書のものは中身の状態は良いのだが、表紙が欠損していた。
もっとも、所有者の多くがこれだけボロボロにしているのは、使い勝手がよく、活用度の高い書物であることをよく物語っているのだが。
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