師弟問答
- 2013/12/17
- 21:28
『南北相法』には門弟との問答がいくつか収載されているが、その中で私が一番好きなのが、末尾にある秋山直記との問答である。
問うて云わく、先生の相を見るに一つとして宜き相なし。先その體中脊にして風俗奴僕のごとく、面せせかましく耳小なり。眼中するどくして落入り印堂せまく、胞胸常に黒く、眉少なくして家續せまし。鼻ひくうして顴骨高し。齒短くして少し。足小にしてうらくりたるごとくにして甲高し。手豐なりと云へども左君司の官に受たちのきずあり。是何ぞ一つとして先生と用べき相無し。いづれの所に先生の相ありや
答えて云わく、其の土地に依て金石草木の遠ふがごとく予も貧家より生て其後猶猶貧にせまりついに善人に交ず善事をみず善ことを聞ず。故に相は至て下相なり。然ども夫はよふよふ南北といふ人のことなり。なんぞ形になずむにあらず。本来予が出生は混沌たる一氣の邊より生てあまねく火せん世界に住す故に窮たることを知らず樂たることをしらず老たる事をしらず死たる事をしらず以て自から三十二相八十四合を具たり故に相は無相を以て本とすべし。なおよくよく考て學べし
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問うて云わく、先生の相を見るに一つとして宜き相なし。先その體中脊にして風俗奴僕のごとく、面せせかましく耳小なり。眼中するどくして落入り印堂せまく、胞胸常に黒く、眉少なくして家續せまし。鼻ひくうして顴骨高し。齒短くして少し。足小にしてうらくりたるごとくにして甲高し。手豐なりと云へども左君司の官に受たちのきずあり。是何ぞ一つとして先生と用べき相無し。いづれの所に先生の相ありや
答えて云わく、其の土地に依て金石草木の遠ふがごとく予も貧家より生て其後猶猶貧にせまりついに善人に交ず善事をみず善ことを聞ず。故に相は至て下相なり。然ども夫はよふよふ南北といふ人のことなり。なんぞ形になずむにあらず。本来予が出生は混沌たる一氣の邊より生てあまねく火せん世界に住す故に窮たることを知らず樂たることをしらず老たる事をしらず死たる事をしらず以て自から三十二相八十四合を具たり故に相は無相を以て本とすべし。なおよくよく考て學べし
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