漢方製剤運用秘伝~其の参~
- 2015/06/10
- 23:08
風邪というのは、基本的には太陽病から始まる。
少なくとも『傷寒論』ではそう説く。
そして、太陽病は基本的に発汗剤を使って治すことになっており、代表的な発汗剤として、桂枝湯・葛根湯・麻黄湯が登場する(あとはこれらの変方が多い)。
実際には、桂枝湯や麻黄湯を単発で使うということはあまりなくて、だいたいは葛根湯が代表格と言っていい。
「葛根湯医者」という落語の演目もあるくらい、日本では人気の方剤である(もっとも中国ではもっぱら肩こりの薬という扱いで、風邪薬として頻用するのは日本独特のものらしい)。
ところで、発汗剤というからには汗が出ないと行けないのだが、エキス剤ではさっぱり汗をかかないことがある。
私のような汗っかきは、電子レンジでチンしたお湯で飲めば、たちどころに発汗するのだが、普段からあまり汗をかかないような人ではそうも行かないらしい。
煎じ薬の場合は、たいていは発汗してくれると思うが、エキス製剤はやはり少し弱いようだ。
そんな時、私の習った先生は、みかんの搾り汁を温めて、その汁で服用することを勧めておられた。
こうすると汗が出やすくなる上、ビタミンCも摂取出来るという寸法である。
といって、風邪でヘバっている時に、みかんを搾る気力などあるかどうか判らない。
そこで、私は温めたポンジュースで服用することを勧めている。
個人的には、オレンジジュースはバヤリースオレンジに限ると思っているのだが、果汁20%というのが少し頼りなく感じるので、果汁100%が売りの(ただし、酸っぱくて美味しくない)ポンジュースを取り敢えずオススメしている訳だ。
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