『張仲景対薬集』王玉芝等編
- 2015/06/27
- 14:11
『張仲景対薬集』王玉芝等編(山西省晋東南医学専科学校/1984年刊)
本書は、『傷寒論』『金匱要略』の二書から、ペアになって用いられている生薬の組合せ147組を抜き出して解説したもので、このように薬味をペアで捉えるアプローチは最近では田畑隆一郎先生の所謂「二味の薬徴」が有名であるが、本書はあくまでも中医学的な対薬を解説している。
吉益東洞の本草学は基本的に一薬一能であり、生薬の相互作用というものは否定されているが、実際のところは相互作用というものも否定出来ないように私は思う。
何でもかんでも二味の対薬として捉えることには違和感がないでもないが、三味、四味の相互作用を言い出すとキリが無くなって収拾がつかなくなるから、解説には二味かせいぜい三味が限界なのかもしれない。
ともあれ、対薬の考え方は仲景方を理解する為の一助として役立つこともあるから、書架に一冊置いておけば、時には出番もあろう。
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