新井白蛾先生生誕300年祭③~宝勝寺~
- 2015/10/02
- 18:36
宝勝寺(石川県金沢市寺町5丁目5番地76号)
野田山を出て、バスで広小路まで下り、予約しておいたイタリアンのお店ニタラートさんで昼食を済ませた後、徒歩で白蛾の菩提寺である太白山宝勝寺へ向かう。
目的は白蛾の位牌である。
事前に連絡しておいたので、到着時には位牌もすでに準備してくださっていた。
宝勝寺は、加賀藩の第三代藩主・前田利常公の建立で、藩に仕える名武門が主な御檀家という格式の高い寺院であるが、近年は荒廃が進み、4年前に御住持が代替わりしてから本堂を修復したり、寺カフェを始めたりと、寺興しに力を入れておられるようだ。
御住持の高橋友峰師は、福井の大安禅寺と掛け持ちされているそうで、今回は残念ながらお目にかかれず、寺カフェを運営されている堂守の女性が応対して下さった。
堂守さんは宝勝寺に来られて三年目だそうだが、白蛾関係者の来訪は初めてのことという。
まだご存命の先代の令夫人曰く、昔は命日を中心に多くの参拝者があり、法要も頻繁に営まれたということだ。
白蛾の位牌とビッグスリー
白蛾の位牌は予想以上に大きく、台座を含めると85センチもあって、同寺にある他の大名らの位牌と同等の大きさだという。
金沢では「易者風情が」と随分冷たい扱いも受けていたようだが、さすがに御家老のヘッドハンティングだけあって手厚い供養が行われたことが分かる。
右端に「一楽斎大通玄機白蛾居士」とあるのが白蛾の法名で、中央の「保壽院柗巖祖貞大姉」が白蛾夫人、左端の「有斐齋大安玄徹居士」は白蛾の嗣子・篤光であろう。
床の間に掛けられているカッチョイイ墨蹟は高橋師の作品で、師は墨蹟&禅アートでも知られているらしく、海外でも個展を開かれているそうだ。
位牌の裏面にはそれぞれの命日が書かれている。
ところで、有名な栗原信充の肖像画では白蛾の家紋は「丸に井桁」となっているが、宝勝寺の位牌の上部を見る限り「久我竜胆」が本当らしい。
宝勝寺を辞して、兼六園や九谷焼の店などを回った後、金沢駅で土産物を物色してそれぞれ帰途に就き、今回の新井白蛾先生生誕300年祭は、無事に終了した。
奈良場先生、加賀井先生、どうも有難う御座いました。
スポンサーサイト