iPS細胞を用いた治療は医療に革命をもたらすか
- 2015/11/12
- 18:34
予想通りと言えば言えるが、iPS細胞を使って難病を治療する臨床応用が遅れているようだ。
昨日、京都大がパーキンソン病を治療する研究について実施を1年ほど遅らせることを明らかにした。
文部科学省の専門家会合が同日示した臨床応用の工程表案でも、ほとんどの計画が1~4年先送りになるらしく、従来は15~16年に始めることになっていたパーキンソン病の臨床研究は1年遅らせて16~17年の開始とし、血液を構成する血小板を作製する再生医療の応用も2年ほど遅れるらしい。
立体的な臓器の作製が難しい肝臓や腎臓などの病気については3~4年遅れるとのこと。
私はこの手の先端医療の類にはまるで疎いし、さしたる興味もないのだが、これらの研究により従来治療法が無いとされてきた難病奇病が治療可能になるらしいと淡い期待をマスコミが煽り立てるのには相変わらず不快を感じる。
十数年前のDNAブームの時も、癌やら何やら撲滅間近と言わんばかりの宣伝が随分されていた記憶があるが、何ら変わり映えのしない現在がある。
これは研究そのものではなく、無学で破廉恥なマスコミに問題があるのは間違いなかろう。
試みに、iPS細胞を用いた治療が近い将来医療に革命をもたらすかどうか、四象筮にて占ってみた。
得卦は火風鼎之風火家人である。
本之卦とも上下同じく陰の卦で構成されており、勢いがない。
鼎卦について、雑卦伝は「鼎は新しきを取るなり」といい、これは先端医療としてのiPS細胞を表したものであろう。
之卦の風火家人について、卦辞は「女の貞に利し」といい、雑卦伝は「家人は内なり」といい、新井白蛾の象意考には「窓より月を見るの象」「気有り形無きの意」とあって、どれをとっても実際の医療でパッとした成果を挙げられそうな気配が無いし、家人は乾を以て坎を包む包卦でもある。
家人の互卦には火水未済があって、この辺りにも「事成らず」の意が見え隠れしているようだ。
また、本之卦を対照すると、易位して内外卦が入れ替わっており、これも思惑通りに行かないことの暗示か。
沢火革之雷水解とか、之卦に地天泰を得るとか、或は病気を坎と見れば大坎裏卦の風沢中孚など、もう少し如何にもな卦が出てほしいところだが、今回の得卦からはさして期待出来ないのではないかと思う(病気の種類によっては有効なものがあるやもしれぬが)。
念の為、三変筮でも立ててみると、風地観の上爻であった。
風地観もまた消息卦として見れば天地否の一陽が後退した状態であり、大して景気の宜しい卦ではない。
観には高い処に在って広く四方を視わたす周観と、逆に高い処に在る者を低い処から仰ぎ観る仰観の二つの意味があるが、この場合は期待を込めて患者が仰ぎ見る仰観であろう。
風地観は大艮の象であるから、病気の進行を食い止める類の治療を占って得たなら吉意を取って良い場合もあろうが、iPS細胞はそういった治療ではなさそうなので、大艮の意を採ることは出来ない。
得爻もやはり一番良いのは四爻で、上爻ではそこまでの吉意は無いと思う。
患者やご家族には酷な占であるので、誤占であることを願いたいが、どうだろうか。
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