2015年の大勢占を振り返って
- 2015/12/31
- 13:56
本年最後の記事では、年初に筮した今年の大勢占について、振り返ってみたいと思う。
私にとっては大勢占は初めての試みだったが、全体としてはまずまず好成績を収めたと言って良いのではなかろうか。
①の「世界の大勢」では、豊之師を得て、年の後半に起きる戦争乃至紛争の類を予想し、初爻から四爻に変爻を見たことから、北半球を考えたが、11月13日には130名が死亡したパリ史上最悪の同時多発テロが起こった。
イスラム国絡みのテロ事件は年の前半にも大規模なものが起こっているが、このパリ同時多発テロを受けて欧米諸国は対テロの結束を深め、大規模な空爆に踏み切っている。
②の各国の国運占では、米露中朝の四カ国しか観なかったので、フランスを対象に含めていたらどんな卦が示されたか興味のあるところだが、これは今更致し方ない。
ロシアに小過四爻、アメリカに謙上爻を得たので、①の紛争はこの両国絡みと思ったが(もっともシリアを巡ってはロシアが例によってロクでもない行動に出て、米露両国間に激しい反目を見たので、これも①の占と無関係ではないかもしれぬ)、ロシアの小過はその象ずばり飛行機を表したものだったと思う。
何やらよく解らないところの多い事件であるが、10月31日にエジプト・シナイ半島で起きたロシア「メトロジェット」社の旅客機墜落では、乗客乗員224人全員が死亡し、ロシアおよびエジプトの航空史上最悪の出来事となった。
かつて、『易学研究』誌上で福田有宵先生が筮した2001年の大勢占に、坎為水の不変を得ておられたが、2001年といえば、言わずと知れた「9.11」の年であって、この年の最も大きな事件であり、報復として取った米国の行動は今現在も国際情勢に尾を引いている。
坎卦には飛行機の象があるので、大勢占などでは洪水や水害以外に飛行機絡みの事件も心に留めておく必要がありそうだ。
加えて11月には領空侵犯の廉でトルコがロシア軍機を撃墜しており、つくづく今年のロシアは飛行機絡みの事件に縁があった。
中国は鼎初爻だったので、「中国国内が抱える様々な矛盾を解決する為の対処に追われる年になるであろう」と書いたが、不自然な経済構造は6月の上海株暴落となって現れている。
また、11月2日には、中国人民銀行(中央銀行)が、人民元取引の目安となる対ドル基準値を大幅に引き上げたが、1日の切り上げ幅としては、中国が人民元の改革に着手した2005年以来最大のものだということだ。
そして、36年続いた独自の産児制限「一人っ子政策」が完全廃止となったのもまた印象的であった。
8月には北朝鮮が5年ぶりに韓国に対する砲撃を行い、一時緊張が高まったが、十八番の挑発行動に過ぎず、すぐに緊張は緩和されたので、さして動きのあった1年ではなかったと言える。
③の「国内の動向」には「莫夜に戎有るも、恤うるなかれ」の辞を得、安保法制を中心に大きな反対運動も起こって、マスコミも反安倍キャンペーンを繰り広げたが、得爻にもこの辺りが良く出ていたように思う。
これまで異常な状態にあった法制をまともな形に整備するだけの話が、何故「日本が戦争に巻き込まれる」「軍国主義への回帰」などという話になるのか理解に苦しむが、かつての安保闘争時代から日本人が何の進歩もしていないことがこういった現象からもよく解る。
安保法制を巡って大いに荒れたことを考えれば、④の「国会の動静」に得た家人の二爻はやや穏やかに見えるかもしれぬが、これとて野党は安倍ちゃんを総辞職に追い込むことも出来ずにモジモジしていた訳だから、大して動きの無かった1年だったと言って良い。
安保法制を巡る喧騒は、乾を以て坎を包む家人の包卦としての側面に出ていたと観ることも出来よう。
また、予想通り、安倍ちゃんも憲法改正へ突っ走ることは出来ず、軽減税率を巡っては公明党に随分譲歩も強いられたから、これも得卦得爻よく実際を反映していたと言える。
⑤の「日本経済の趨勢」は、どの指標を以て言うのか素人の庵主には難しいところがあるが、如何だろうか。
⑥の「円相場」であるが、以下のような推移を見た。
5月まではおよそ円安傾向で推移、その後、割に変動が大きく、乱高下も見られた。
アベノミクス以来の円安基調はやや不安定になって来ているようだ。
前半は沢地萃が示すように好調、特に4月には15年ぶりの2万円台回復も見られた。
8月から上海の大暴落を受けて大きく下落したが、その後はまた上昇も見られ、今年最後の株式取引となった大納会の30日、東京株式市場での日経平均株価の終値は19033円で、年末終値が19000円台に乗ったのは、1996年以来、19年ぶりというから、今年の株価は全体としては本卦萃が示すように好調な1年だったと言えるだろう。
之卦の天地否について、「上に天があり下に地がある象から、或るものは高く或るものは安くという極端な相場に否卦を得る場合もあるそうなので、どちらに取るべきだろう」と書いたが、個別の株価はチェックしていないのでよく解らない。
自分が株の売買をやっていたらもう少しマシな書き方が出来るのだが、あまり経済現象には縁無き貧乏人ゆえこの位で御勘弁願いたいと思う。
⑧の災害占はストレートな的占だろう。
今年は、台風の発生が多く、10月半ばで発生数は25個を数え、すでに年間発生数の平年値(25.6個)に達していた。
また、台風の寿命が長く、寿命の平年値は5.3日だが、今年の平均は7.2日だったそうだ。
発生数の多さに寿命の長さが加わると、それだけ台風が重なり合って存在する確立も高くなり、特に18号が温帯低気圧に変わっていたところへ17号が衝突したことによって発生した上昇気流は、9月19日の鬼怒川決壊の遠因となった。
損害保険大手3グループは11月18日、9月の中間連結決算を発表したが、自然災害が多かったことで保険金の支払額が増え、東京海上ホールディングス(HD)とMS&ADHDは最終(当期)利益が大幅減益となっている。
以上、今年の大勢占の総括であるが、全体としてはまずまずの成績だと思うものの、占技の未熟ゆえの読みの甘さは隠しきれない。
来年も更なる精進を積み重ねながら、読者諸賢と共に学と術とを磨いて行く所存である。
どうぞ、来年も宜しくお付き合いくださいm(_ _)m
さぁ、今晩はガキつかスペシャルだぜッ!
私にとっては大勢占は初めての試みだったが、全体としてはまずまず好成績を収めたと言って良いのではなかろうか。
①の「世界の大勢」では、豊之師を得て、年の後半に起きる戦争乃至紛争の類を予想し、初爻から四爻に変爻を見たことから、北半球を考えたが、11月13日には130名が死亡したパリ史上最悪の同時多発テロが起こった。
イスラム国絡みのテロ事件は年の前半にも大規模なものが起こっているが、このパリ同時多発テロを受けて欧米諸国は対テロの結束を深め、大規模な空爆に踏み切っている。
②の各国の国運占では、米露中朝の四カ国しか観なかったので、フランスを対象に含めていたらどんな卦が示されたか興味のあるところだが、これは今更致し方ない。
ロシアに小過四爻、アメリカに謙上爻を得たので、①の紛争はこの両国絡みと思ったが(もっともシリアを巡ってはロシアが例によってロクでもない行動に出て、米露両国間に激しい反目を見たので、これも①の占と無関係ではないかもしれぬ)、ロシアの小過はその象ずばり飛行機を表したものだったと思う。
何やらよく解らないところの多い事件であるが、10月31日にエジプト・シナイ半島で起きたロシア「メトロジェット」社の旅客機墜落では、乗客乗員224人全員が死亡し、ロシアおよびエジプトの航空史上最悪の出来事となった。
かつて、『易学研究』誌上で福田有宵先生が筮した2001年の大勢占に、坎為水の不変を得ておられたが、2001年といえば、言わずと知れた「9.11」の年であって、この年の最も大きな事件であり、報復として取った米国の行動は今現在も国際情勢に尾を引いている。
坎卦には飛行機の象があるので、大勢占などでは洪水や水害以外に飛行機絡みの事件も心に留めておく必要がありそうだ。
加えて11月には領空侵犯の廉でトルコがロシア軍機を撃墜しており、つくづく今年のロシアは飛行機絡みの事件に縁があった。
中国は鼎初爻だったので、「中国国内が抱える様々な矛盾を解決する為の対処に追われる年になるであろう」と書いたが、不自然な経済構造は6月の上海株暴落となって現れている。
また、11月2日には、中国人民銀行(中央銀行)が、人民元取引の目安となる対ドル基準値を大幅に引き上げたが、1日の切り上げ幅としては、中国が人民元の改革に着手した2005年以来最大のものだということだ。
そして、36年続いた独自の産児制限「一人っ子政策」が完全廃止となったのもまた印象的であった。
8月には北朝鮮が5年ぶりに韓国に対する砲撃を行い、一時緊張が高まったが、十八番の挑発行動に過ぎず、すぐに緊張は緩和されたので、さして動きのあった1年ではなかったと言える。
③の「国内の動向」には「莫夜に戎有るも、恤うるなかれ」の辞を得、安保法制を中心に大きな反対運動も起こって、マスコミも反安倍キャンペーンを繰り広げたが、得爻にもこの辺りが良く出ていたように思う。
これまで異常な状態にあった法制をまともな形に整備するだけの話が、何故「日本が戦争に巻き込まれる」「軍国主義への回帰」などという話になるのか理解に苦しむが、かつての安保闘争時代から日本人が何の進歩もしていないことがこういった現象からもよく解る。
安保法制を巡って大いに荒れたことを考えれば、④の「国会の動静」に得た家人の二爻はやや穏やかに見えるかもしれぬが、これとて野党は安倍ちゃんを総辞職に追い込むことも出来ずにモジモジしていた訳だから、大して動きの無かった1年だったと言って良い。
安保法制を巡る喧騒は、乾を以て坎を包む家人の包卦としての側面に出ていたと観ることも出来よう。
また、予想通り、安倍ちゃんも憲法改正へ突っ走ることは出来ず、軽減税率を巡っては公明党に随分譲歩も強いられたから、これも得卦得爻よく実際を反映していたと言える。
⑤の「日本経済の趨勢」は、どの指標を以て言うのか素人の庵主には難しいところがあるが、如何だろうか。
⑥の「円相場」であるが、以下のような推移を見た。
2015年の対ドル円相場の推移(グラフはweb上より拝借)
5月まではおよそ円安傾向で推移、その後、割に変動が大きく、乱高下も見られた。
アベノミクス以来の円安基調はやや不安定になって来ているようだ。
2015年の日経平均株価の推移(今日の読売新聞朝刊より拝借)
前半は沢地萃が示すように好調、特に4月には15年ぶりの2万円台回復も見られた。
8月から上海の大暴落を受けて大きく下落したが、その後はまた上昇も見られ、今年最後の株式取引となった大納会の30日、東京株式市場での日経平均株価の終値は19033円で、年末終値が19000円台に乗ったのは、1996年以来、19年ぶりというから、今年の株価は全体としては本卦萃が示すように好調な1年だったと言えるだろう。
之卦の天地否について、「上に天があり下に地がある象から、或るものは高く或るものは安くという極端な相場に否卦を得る場合もあるそうなので、どちらに取るべきだろう」と書いたが、個別の株価はチェックしていないのでよく解らない。
自分が株の売買をやっていたらもう少しマシな書き方が出来るのだが、あまり経済現象には縁無き貧乏人ゆえこの位で御勘弁願いたいと思う。
⑧の災害占はストレートな的占だろう。
今年は、台風の発生が多く、10月半ばで発生数は25個を数え、すでに年間発生数の平年値(25.6個)に達していた。
また、台風の寿命が長く、寿命の平年値は5.3日だが、今年の平均は7.2日だったそうだ。
発生数の多さに寿命の長さが加わると、それだけ台風が重なり合って存在する確立も高くなり、特に18号が温帯低気圧に変わっていたところへ17号が衝突したことによって発生した上昇気流は、9月19日の鬼怒川決壊の遠因となった。
損害保険大手3グループは11月18日、9月の中間連結決算を発表したが、自然災害が多かったことで保険金の支払額が増え、東京海上ホールディングス(HD)とMS&ADHDは最終(当期)利益が大幅減益となっている。
以上、今年の大勢占の総括であるが、全体としてはまずまずの成績だと思うものの、占技の未熟ゆえの読みの甘さは隠しきれない。
来年も更なる精進を積み重ねながら、読者諸賢と共に学と術とを磨いて行く所存である。
どうぞ、来年も宜しくお付き合いくださいm(_ _)m
さぁ、今晩はガキつかスペシャルだぜッ!
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