中国古典叢書内容簡介
- 2016/07/10
- 19:53
「訳本などを読んで判ったような気になっても本当に読んだ内には入らぬ。」
そう言われれば確かにその通りで、大抵訳本で済ませている身を省みれば私など唯恥じ入るほかはないが、興味のある漢籍を全て白文で読解するなど到底出来ることではないし、そんな学力はきょうび専門家でさえ、持ち合わせていないだろう。
それに、『傷寒論』であれ、『周易』であれ、『論語』であれ、自分の専門とする書物でも、先人諸家の訓読や訳解と自身のそれとを突き合わせるという作業は絶対に必要であるから、結局は先行する種々の訳業に触れることにはなる訳だ。
ところが、誰の仕事がどこに入っているのかということも中々調べるのに骨が折れる。
娯楽的読書の対象としても、読解者により、仕事の出来には時に天地ほどの差がある訳で、どうせ読むなら質の高いものを手にしたいが、逐一検索して調べるのは面倒極まりない。
そういう時に便利なのが、中国古典叢書内容簡介だ。
種々の大叢書から各種文庫まで、どんな中国古典が誰の訳業で収められているかが直ちに判るようになっている(訳者名が記載されていないシリーズもあるが)。
古典文献名の検索はHPの制作が古いからか、もう機能していないようだが、一つ一つクリックして、どの叢書にどんな本が収められているのかを知るだけでも中々に楽しいし、時に有益な発見もある。
趙翼の『二十二史箚記』 など中文書か和刻本でしか入手出来ないと思い込んでいたが、私はこの「中国古典叢書内容簡介」によって、続国訳漢文大成に二巻本で収められていることを知ったのである。
もう少し早く知っていたら簡体字の無駄な中文書など買わずに済んだのだが、独学者にはこういうことが往々にして起り得る。
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