橋本律蔵の墓~東京漢方史跡~
- 2016/11/16
- 18:15
橋本律蔵墓(慈眼寺/足立区千住1-2-9)
安藤昌益の稿本『自然真営道』101巻は、もともと北千住の穀物問屋「藁屋」の橋本律蔵(1824~1882)が所蔵していたもので、明治十五年に律蔵が死去し、浅草の老舗古書店「浅倉屋」に買い取られると、売却されたことを知った内田天正堂なる人が慌てて買い戻し、秘蔵していたものである。
この天正堂の没後、再び古書店に売却され、これを明治三十二年に購入して安藤昌益が世に知られるきっかけを作ったのが、狩野亨吉である。
長らく、東北の人である安藤昌益の書物が何故北千住のしかも穀物問屋の親爺が秘蔵していたのか謎であったが、最近になって発見された新出の資料群により、律蔵は商人であると同時に昌益医学の継承者でもあって、安藤昌益→川村錦城→川村真斎→橋本律蔵という流れであることが明らかとなった。
墓所は北千住駅近くの慈眼寺にあり、律蔵は町の名士で同寺の檀家総代も務めていたらしい。
墓碑側面に刻まれた「楽山仁壽居士」が律蔵の法号である。
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