二用のはなし
- 2017/02/23
- 18:44
「九」と「六」に触れたついでに、用九および用六についても、簡単にご紹介しておきたい。
用九・用六とは、乾坤のそれぞれ上爻の辞の次に置かれているもので、すなわち、乾為天に「用九、見群龍无首、吉。」、坤為地に「用六、利永貞。」とあるのがそれである。
これには凡そ三種類の説があるようだ。
一つは、用九用六というのは、六爻の総辞で、乾の剛・坤の柔のはたらきを示す定則であるというもので、王弼が唱えた見方である。
乾の吉は首の无いこと、つまり剛健に任せてしゃしゃり出ないことで、坤の得策とするところは永貞、どこまでも正しきを守ることにあるという見方であり、孔穎達や程伊川などが、此の説を是とする。
二つ目は、これを上爻の爻辞の一部と見る説であり、王安石を以て其の嚆矢とするものらしいが、来知徳これを是とし、毛奇齢もまた此の爻辞説に賛成している。
三つ目は、欧陽脩の唱えた説で、九と六は変爻の標識であり、用九用六は其の標識のはたらきを示したものであるとし、朱子の説は此の説の延長線上にあるが、乾坤六爻全変の場合の占辞とする。
この二用についても、現代の易占家は全く注意を払っていないように感じられるので、ここで簡単に紹介しておく。
用九・用六とは、乾坤のそれぞれ上爻の辞の次に置かれているもので、すなわち、乾為天に「用九、見群龍无首、吉。」、坤為地に「用六、利永貞。」とあるのがそれである。
これには凡そ三種類の説があるようだ。
一つは、用九用六というのは、六爻の総辞で、乾の剛・坤の柔のはたらきを示す定則であるというもので、王弼が唱えた見方である。
乾の吉は首の无いこと、つまり剛健に任せてしゃしゃり出ないことで、坤の得策とするところは永貞、どこまでも正しきを守ることにあるという見方であり、孔穎達や程伊川などが、此の説を是とする。
二つ目は、これを上爻の爻辞の一部と見る説であり、王安石を以て其の嚆矢とするものらしいが、来知徳これを是とし、毛奇齢もまた此の爻辞説に賛成している。
三つ目は、欧陽脩の唱えた説で、九と六は変爻の標識であり、用九用六は其の標識のはたらきを示したものであるとし、朱子の説は此の説の延長線上にあるが、乾坤六爻全変の場合の占辞とする。
この二用についても、現代の易占家は全く注意を払っていないように感じられるので、ここで簡単に紹介しておく。
(薮田嘉一郎「二用之八考」参照)
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