筮具の浄化
- 2017/03/12
- 23:30
かねてより不思議に思っていたことであるが、占筮家は筮具の浄化という点に非常に無頓着な気がする。
庵主は易以外の占いには丸で疎いので、他の占いで使う道具類ではどうなのかは甚だ不案内であるけれど、同じ卜術の仲間であるタロットカードなどでは、盛んに浄化の必要性が説かれているようだ。
タロットのように求占者にカードを引いてもらうタイプの占いは、相手の邪気がカードに付着するであろうから、求占者が立卦具に触れることの少なき易占に比して神経質になること故無しとしないが、庵主のやり方は対面で行う場合、相手に神蓍を振ってもらうので、占具の浄化には気を配っている。
邪気の溜まった占具によって、不応卦を得やすくなるのかどうかは判らない。
ただ、気の感覚が或る程度判るようになると、他人の邪気は言うに及ばず、自分の邪気が溜まったものに触れても不快感があるから、これはやはり何とかしておくべきだろうと思う。
そもそも、筮具の浄化は、庵主独り説くところのものではなく、古人もまた意を用いたことが文献の端々に見えている。
たとえば、朱子の筮儀では、立卦の前に蓍を香炉の上でくすべるという所作があるし、張華の『博物志』は、蓍を毎月十五日に五度浴して清めると云い、『漢書』匡張孔馬伝には、蓍を星宿の下に露わす、とある。
また、庵主未検ながら、九鬼盛隆によると、漢代には水を以て蓍を動かすという説もあるらしい。
これらのことから考えて、やはり筮具もまた何らかの手段で浄化すべしというのが庵主の見方である。
とはいえ、習慣のない人間には香をたくというのは聊かハードルが高いし、水で洗うと大事なお道具が傷んでしまいそうで怖い。
月光浴というのは中々ロマンチックであるが、月に一度満月に浴すという程度では、それほど浄化されそうにない気もする。
そこで、蒼流庵では、昨今パワーストーンなどの浄化によく用いられる如く、水晶クラスターの上に載せておくという方法を採っている。
上掲の写真は、その昔、まだ日本地学会館という名称だった頃の益富地学会館にて貰い受けた国産の水晶で、確か神戸あたりの産だったかと思う。
賽だけを振っていた頃は、こういう小さな水晶で事足りたが、神蓍を用いるようになった現在では、大きな水晶クラスターの上に、神蓍ごと置いて浄化するようにしている。
これによって占の精度が上がったかどうかは正直よく判らぬが、占具そのものがスッキリすることだけは確かなので、幾らかの効能はあるものと思う。
そもそも、プロフェッショナルなら、使用する道具の入念な手入れは当然のことである筈だが、現今の占筮家は余りにも自身の商売道具をぞんざいに扱い過ぎだろう。
プロでない蒼流庵主人でもこれくらいの手入れはしているのだから、苟もプロの端くれなら、自身の必需品を労わる位のことはして欲しいものだ。
庵主は易以外の占いには丸で疎いので、他の占いで使う道具類ではどうなのかは甚だ不案内であるけれど、同じ卜術の仲間であるタロットカードなどでは、盛んに浄化の必要性が説かれているようだ。
タロットのように求占者にカードを引いてもらうタイプの占いは、相手の邪気がカードに付着するであろうから、求占者が立卦具に触れることの少なき易占に比して神経質になること故無しとしないが、庵主のやり方は対面で行う場合、相手に神蓍を振ってもらうので、占具の浄化には気を配っている。
邪気の溜まった占具によって、不応卦を得やすくなるのかどうかは判らない。
ただ、気の感覚が或る程度判るようになると、他人の邪気は言うに及ばず、自分の邪気が溜まったものに触れても不快感があるから、これはやはり何とかしておくべきだろうと思う。
そもそも、筮具の浄化は、庵主独り説くところのものではなく、古人もまた意を用いたことが文献の端々に見えている。
たとえば、朱子の筮儀では、立卦の前に蓍を香炉の上でくすべるという所作があるし、張華の『博物志』は、蓍を毎月十五日に五度浴して清めると云い、『漢書』匡張孔馬伝には、蓍を星宿の下に露わす、とある。
また、庵主未検ながら、九鬼盛隆によると、漢代には水を以て蓍を動かすという説もあるらしい。
これらのことから考えて、やはり筮具もまた何らかの手段で浄化すべしというのが庵主の見方である。
とはいえ、習慣のない人間には香をたくというのは聊かハードルが高いし、水で洗うと大事なお道具が傷んでしまいそうで怖い。
月光浴というのは中々ロマンチックであるが、月に一度満月に浴すという程度では、それほど浄化されそうにない気もする。
そこで、蒼流庵では、昨今パワーストーンなどの浄化によく用いられる如く、水晶クラスターの上に載せておくという方法を採っている。
上掲の写真は、その昔、まだ日本地学会館という名称だった頃の益富地学会館にて貰い受けた国産の水晶で、確か神戸あたりの産だったかと思う。
賽だけを振っていた頃は、こういう小さな水晶で事足りたが、神蓍を用いるようになった現在では、大きな水晶クラスターの上に、神蓍ごと置いて浄化するようにしている。
これによって占の精度が上がったかどうかは正直よく判らぬが、占具そのものがスッキリすることだけは確かなので、幾らかの効能はあるものと思う。
そもそも、プロフェッショナルなら、使用する道具の入念な手入れは当然のことである筈だが、現今の占筮家は余りにも自身の商売道具をぞんざいに扱い過ぎだろう。
プロでない蒼流庵主人でもこれくらいの手入れはしているのだから、苟もプロの端くれなら、自身の必需品を労わる位のことはして欲しいものだ。
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