算木は二つでワンセット
- 2017/03/15
- 18:11
四遍筮(元之筮法とも)と言えば、岳門の紀藤元之介先生が考案した筮法として名前だけは有名であるが、最近では用いる人は殆ど居なくなってしまったらしい。
庵主も数度試みただけで、四遍筮には縁遠い人間の一人なのだけれど、手元の『実占研究』誌に「四遍筮(占)法開扉」という記事が載っていて、これは紀藤先生と門人の渡辺観岳先生が昭和51年元日の午後に行った対談を記事にしたものであるが、四遍筮の性質がよく判ると同時に、易占法一般についても示唆に富む箇所が其処此処にあって面白い対談となっている。
四遍筮については、『活断自在』(1959年初版)が基本文献なのであるが、リラックスした自由な対談である本篇の方が、本音や四遍筮について思うところが、よく表されているように思う。
全文をご紹介しても良いように思うが、かかる作業をするだけの根気と忍耐は怠惰を以て鳴る庵主の持ち合わせるところではないし、記事の丸写しというのも芸がないので、一箇所だけ特に印象に残ったところを引用しておく。
「算木を二つ使う」ということが、いわば新機軸といえばいえるんで、これは使い馴れたら、解りいい、ということはどなたでも感じると思いますよ。
たとえば中筮法でやつている人も、もう一組算木を用意しといてやられれば、略筮法でも算木をもう一組置いて使われたら、もつとわかりいいだろうと、こう思うんですよ。
算木を二組置くというところが、四遍筮のミソといえばミソ、特徴といえば特徴。
ほかの筮法でもそうして使われることはさしつかえないし、又使つたら便利であろう、ということなんで云々…
一読明らかなように、紀藤先生は算木を二つ使うことを強調されており、「四遍筮のミソといえばミソ」とまで言われている。
庵主が、オリジナルの万能算木を作成する際に、シンプルな両象算木を之卦用にして組で作成したのも、この辺りを踏まえてのことであるのだが、真勢流でも算木はペアで用いていることを強調しているのを最近になって知った。
算木のことを松井羅州は像卦と呼んでおり、「世俗コレヲ卦木、或ハ算木ト呼ブ、コレモ亦不敬卑陋ノ称呼タリ。」として、算木や卦木などという呼び方は怪しからぬとしている。
その著『筮儀約式通解』では、挿絵付きで、本卦と之卦とで別々のものを用いることを説いているが、加えて、真勢流では生卦法により時に数十卦を設けることがあるとして、更に複数の算木を用いるのだと云っている。
流石に其処までは付いて行きかねるが、本之卦を対照する占では、やはり算木も二組用いるべきであり、真勢流でもそれを強調していることは記憶しておいて良かろう。
挿絵の算木の手前に見えるルービックキューブのようなものは「爻卦」というものらしく、この頃はまだ算木の中に爻卦は刻みこまれておらず、算木とは別に賽状の木製の爻卦があったものらしい。
庵主も数度試みただけで、四遍筮には縁遠い人間の一人なのだけれど、手元の『実占研究』誌に「四遍筮(占)法開扉」という記事が載っていて、これは紀藤先生と門人の渡辺観岳先生が昭和51年元日の午後に行った対談を記事にしたものであるが、四遍筮の性質がよく判ると同時に、易占法一般についても示唆に富む箇所が其処此処にあって面白い対談となっている。
四遍筮については、『活断自在』(1959年初版)が基本文献なのであるが、リラックスした自由な対談である本篇の方が、本音や四遍筮について思うところが、よく表されているように思う。
全文をご紹介しても良いように思うが、かかる作業をするだけの根気と忍耐は怠惰を以て鳴る庵主の持ち合わせるところではないし、記事の丸写しというのも芸がないので、一箇所だけ特に印象に残ったところを引用しておく。
「算木を二つ使う」ということが、いわば新機軸といえばいえるんで、これは使い馴れたら、解りいい、ということはどなたでも感じると思いますよ。
たとえば中筮法でやつている人も、もう一組算木を用意しといてやられれば、略筮法でも算木をもう一組置いて使われたら、もつとわかりいいだろうと、こう思うんですよ。
算木を二組置くというところが、四遍筮のミソといえばミソ、特徴といえば特徴。
ほかの筮法でもそうして使われることはさしつかえないし、又使つたら便利であろう、ということなんで云々…
一読明らかなように、紀藤先生は算木を二つ使うことを強調されており、「四遍筮のミソといえばミソ」とまで言われている。
庵主が、オリジナルの万能算木を作成する際に、シンプルな両象算木を之卦用にして組で作成したのも、この辺りを踏まえてのことであるのだが、真勢流でも算木はペアで用いていることを強調しているのを最近になって知った。
松井羅州著『筮儀約式通解』より
算木のことを松井羅州は像卦と呼んでおり、「世俗コレヲ卦木、或ハ算木ト呼ブ、コレモ亦不敬卑陋ノ称呼タリ。」として、算木や卦木などという呼び方は怪しからぬとしている。
その著『筮儀約式通解』では、挿絵付きで、本卦と之卦とで別々のものを用いることを説いているが、加えて、真勢流では生卦法により時に数十卦を設けることがあるとして、更に複数の算木を用いるのだと云っている。
流石に其処までは付いて行きかねるが、本之卦を対照する占では、やはり算木も二組用いるべきであり、真勢流でもそれを強調していることは記憶しておいて良かろう。
挿絵の算木の手前に見えるルービックキューブのようなものは「爻卦」というものらしく、この頃はまだ算木の中に爻卦は刻みこまれておらず、算木とは別に賽状の木製の爻卦があったものらしい。
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