前回の記事では、スランプ脱出法として、立卦具を変えてみるという方法をご紹介したが、同様の効用を期待出来るものとして、立卦の仕方を変えてみるという工夫もある。
これも私自身、経験してそれなりに手応えを得ているものだ。
立卦の仕方には大きく分けて二通りの方法がある。
高島嘉右衛門の有名な写真は易占家なら等しく印象に残っているものと思うが、念の為、掲載してみよう。
まさに、入神の筮といった趣きがある。
そして、其の筮捌きでは頻繁に筮竹が折れたらしく、相当に力強いものであったらしい。
ここまでの気合いではなかったが、以前見せて頂いた
麻野勝稔先生の筮捌きも筮を二分する際「バチッ!!」という音のする力強い所作であり、やはり頻繁に筮竹が折れるとボヤいておられたことを思い出す。
もう一つは、柔らかい、一見すると頼りなげなタッチの筮捌きで、私が拝見した中では
御法川先生がこちらのスタイルであった(女性だからかもしれないけれど)。
案の定、半世紀使い続けて、筮竹が折れた経験など一度もないとのことである。
また、頑なに拒まれたので見せてもらう機会こそ持てず仕舞であったが、我が
広瀬宏道先生も、筮竹の折れた経験など無いとしておられたから、スタイルとしては後者に属する易占家であられたように思う。
八面賽派の人でも、其の振り方には、同様に二つのスタイルがあるかと思うが、スランプに陥った時は、立卦の仕方を真逆に変えてみることをオススメしたい。
フニャフニャとした立て方をする人は気合いを入れた方が良いし、呑象スタイルの人は、ちょっと肩の力を抜いてリラックスしてやってみるが良かろう。
些細なことだが、これが意外に効果がある。
ちなみに
青木良仁先生(今月名古屋で初のアストロダイス講座を開催される)に以前対面でのアストロダイス鑑定を依頼したことがあるが、先生のやり方は、手の中でしばらく捏ね回して体温で少し温めるようにした後で、タイミングを計って振っておられた(どうも神蓍を用いるのはお気に召さないらしい)。
スランプ云々はさて置き、他人様の立卦の様子を拝見すると、思った以上に占者の易占観そのものが所作にもよく表れているようで、興味深いものがある。
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