卦を起こす時、たいていは目を閉じて占題を念じながら筮竹を捌いたり、賽を振ったりすると思うが、私は開眼でやっても一向に構わぬと思うし、その利点もまたありそうな気がしている。
閉眼で瞑想などしてみると判るが、目を閉じると雑念が次から次へと湧いて来て往生するようだ。
そのためであろうか、対象物に集中することで、雑念を起こりにくくするタイプの行法もあって、密教で行う阿字観など代表的なものであろう。
以前に、得卦を枠にはめる工夫として、占題を紙に書くことを推奨したが、この占題を見つめた状態で卦を起こすというのも、雑念を起こりにくくする上で有効な方法の一つである。
それから、もう一つは全く逆の方法で、開眼ではあるが、特定の対象に注意を集中させずに、焦点をボカした状態で立卦するのも良い。
目を閉じて暫くすると、人間の脳波は所謂α波が優位になるのだが、開眼でも焦点をボカすと同様の状態になる。
むしろ、α波優位の状態に持っていくには、焦点をボカすやり方の方が閉眼よりも効果的であるという印象を私などは持っている。
また、この状態になると、体の力みも抜ける為、より自然体で立卦する条件が整う訳で、占者のスタイルによって開眼での立卦も取り入れて大いに益のある方法であろうかと私は思う。
私個人は、立卦時には焦点をボカしてやることが多い。
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